フランス語の「できる」「できない」の使い方が日本語とずれちゃうことがよくあるわ。pouvoirとsavoirもこんがらがるし。違いや使い方を教えて!
sommaire/目次
pouvoirとsavoir、もう迷わない使い分け
Bonjour ! 胡桃です。日本語でいつも使っている「〜できる」をそのままpouvoirに直すと、日本語をフランス語で言っている和風フランス語になってしまう?ここで知っておきたい動詞がsavoir。この記事ではpouvoirの見直しとsavoirの役目と使い分けをわかりやすく解説、よりフランス語らしい表現を見ていきましょう!
pouvoirが意味することとは?日本語式pouvoirを使うのはちょっと待って!
突然ですが、パリやフランスの街中のイメージの代表的なものは?
車のクラクションと歩行者の信号無視
私も旅行者時代は「信号無視はパリジェンヌの基本♪」なんてうそぶいていましたが、けしからんセリフでした(´゚д゚`)
フランスがいくら歩行者優先であっても、無法地帯のごとく決まりにルーズ、人も車もなんでこのタイミングで出てくるんだろう? 自分の目的しか見えてないような歩行者とドライバーが本当に多いです。
この国は肝心なところでうんと待たされるのに、1秒待てばお互いに安全な場面で、間一髪の危険なタイミングで飛び出してくる。
日本の常識をフランスに当てはめるのは無益ですが、安全は全てに優先するでしょう? これも、日本だけの考え方かも知れないけどね。
それで、
なんでチミたちはこうも待てないんだろう、と思うわけよ
こんな気持ちをフランス語でどのように表せるでしょうか?
pouvoirとsavoirの違い
Ils ne peuvent pas attendre 待つことができないよの
あ〜、それそれ、そうは言わないのよ
pouvoir を使うのは、こんなとき
- capacité / 行えるかどうかという能力
- compétence / 権限、資格や裁量による能力による可否
- permission / 許可に関連するときに使う動詞
ということは、待てないに pouvoir を使うと、何か理由があって待てないってことになるの?
そうよ。日本人だって通販の配送の待ち時間なんて最小限以上待たされるとじれったくなってくるでしょ?
これは病気ではなくて社会の習慣によるものですね。ところ変われば待てない理由も変わります。
日本人の立派な病気だと思うな笑 そうか、じゃあ待てないを何て言おう・・・
ほら、前にsavoirとconnaître で話した「アンタ泳げるの?」と同じだよ
・・・あ!もしや、savoirを使うの?
その通り! 日本語では「できる」と「心得=特技や能力」を、頭の中でちゃんと区別して使っているけど、口にするときは同じ「できる」だから、フランス語で口が勝手にpouvoirと言ってしまうのも無理はないでしょう。
savoirで「待てない人たち」と言ってみよう
「この人達はなぜに待てないのよ」
をフランス語では
「この人たちは待てない人たち」と言えます。
そして、待つことができる、できないをフランス語で
待つことを知らない人 と表します。
(* ゚ω゚ *)
と表します。
待てない人々=待つことを知らない人
des personnes qui ne savent plus attendre.
あら〜、日本語の『礼儀知らず』なんかと同じ使い方ね
pouvoir の主な使い方3つ。 依頼、許可、拒否
それでは、動詞 pouvoir はどんな場面でどんな風に使うのか? 日本語に惑わされないように確認しておきましょう。
物事をお願いする依頼表現
直接法だと、場合によっては「可否」、つまり「やってくれるの?どうなの?」と迫るニュアンスが出てしまいます。
直接法で「お水を持ってきていただけますか?」
Pouvez-vous m’ apporter un verre d’eau, s’il vous plaît ?
同じ内容でも条件法なら、とても丁寧にお願いする表現になります。
条件法「お水を持ってきていただけませんでしょうか?」
Pourriez-vous m’ apporter un verre d’eau, s’il vous plaît ?
プゥリエ ヴ マポルテ アン ヴェーる ドォ、スィル ヴ プレ?
このような依頼の表現は、機械的に Pourriez-vous と覚えてしまいましょう。リスクを避ける、という考え方も大切です。
〜してもいいのかな?許可、禁止のpouvoir
禁煙
撮影禁止
遊泳禁止
アイスクリーム持ち込み禁止 などありますね。
Vous ne pouvez pas prendre de photos dans le théâtre.
「劇場内は写真を取ることはできません=撮影禁止」
ムリなの、パスよ、お断りだよ。拒否のpouvoir
Peut-tu venir me chercher à la gare, s’il te plaît?
「駅まで迎えに来てもらえる?」
Je ne peux pas te chercher car la voiture est tombée en panne.
「車が故障しちゃって迎えに行けないんだ。。。」
理由があって迎えに行かれないことをpouvoir で表していますね。
pouvoirの否定形だと、フランス人の待てない習性、待つのは御免だ!と拒否されてるようにも感じるわね。日本人だからさ
(゚_゚)
pouvoirとsavoir の使い分け
savoir は、心得、習得による能力。 savoir+動詞で表す
Est-ce que vous savez patiner ?
「あなた、スケート滑れるの?」
Je sais patiner.
「私は滑れるよ=スケートできるよ」
Je ne sais pas patiner.
「私は滑れないの=スケートできないの」
pouvoir は出来る状態にあるか、ムリだからパスしたいか
今度の日曜日、スケートに行かない?
Je ne peut pas patiner.
「バレエの本番前だからスケートはやめとくわ=滑れないわ」
理由があって出来ない= ne peut pas を使うことがわかりますね!
おわりに 何が「フランス語でそうは言わないのか?」
日本語をフランス語で表そうとすると、文法上は間違っていなくても、フランス語ではそうは言わない ということが多々あります。
何が「フランス語でそうは言わないのか?」は、私の場合は失敗を重ねることで見えてきました。
普段のフランス語レッスンで「それは間違っていないけどフランス語じゃないよ」「super français じゃないよ」と何十回も教えられたからです (´゚д゚`)
そのおかげで、書きながら、言いながら「もしや日本語をフランス語で言っていないだろうか(?_?) 」と常に疑う習慣がつきました。
何が「そうは言わないのか?」を知るのは外国語学習の面白いところで、それには、日本語をフランス語でどのように言うのか?という勉強だけではなく、フランス語だけの文章に触れて単語ひとつ、動詞ひとつでも発見!を積み重ねることが大切だと思うのです。
特に、日本語の話し言葉をフランス語に直すとき、フランス語っぽいか?1秒立ち止まってみるといいですよ。
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