星の王子さま解説 王子さまとは誰なのか?

王子さまとは誰なのか

星の王子さまは小さな星からやってきた、物語の登場人物の一人よね?でもどんなキャラクターなのか、どんな宇宙人?なのか、掴み所がないわ。王子さまって一体誰なの?

kurumisenichiya

Bonjour ! 王子さまが何者なのか?は星の王子さまを謎めいた話に思う大きな要素かも。それだけにここが分かると星の王子さまの話は俄然面白くなってきます。この記事では王子さまとは誰なのか?分かりやすく解説していきます。読んだ人も途中でやめた人も、特に、星の王子さまが何を言いたいのか分からない人のお役に立てたら幸いです。

小さな惑星からやってきたとされる王子さまの特徴

星の王子さま解説 王子さまとは誰なのか?

星の王子さまの話の中で、夜明けのサハラ砂漠に囁くような妙な声とともにふわっと登場する王子さま。

その後、「羊を描いて」という有名なシーン、日が沈むところが好きだったり恋がうまくいかなかったことを思い出してさめざめと泣いたり、地球の人間ウオッチングで披露する洞察力、姿を消す前に読者の胸を打つ名言の数々を残していきます。

これほど多様な場面を展開していく、一見すると坊やと呼ぶべき年頃の子どもでありながら真っ青になって怒りに震えたり、恋も人生も語るのですから、本当に掴み所のないキャラクターと思ってしまうかもしれません。

王子さまは到底ただの子どもではなさそうです。

王子さまは誰?実は王子さまが話を難しくしているのかも

では、星の王子さまに登場する王子さまとは誰なのか?

王子さまとは、作者サン=テグジュペリ本人です。

・・・あー!

胡桃

作者サン=テグジュペリは本音で対話する相手が必要だった。それが王子さまに扮したサン=テグジュペリだよ。

主人公である飛行士『僕』もサン=テグジュペリであることには変わらないけれど、何もかもを一人で語るわけにはいかない(この理由はcca別の機会で書きます)し、自分一人で全てを語ろうとしたら、物語の展開は全く別物になってしまう。

自分以外の人が歯に衣着せずに作者の心を喋ってくれた方が、本音を話しやすい=読者に伝えやすく、作者の真意を余すところなく伝えることができるでしょう。

作者の分身!そうか、そう思って王子さまのセリフを読むと決して掴み所のない話じゃないわね

主人公は飛行士という、作者サン=テグジュペリと同じ職業ということで、作者=飛行士の『僕』と思い込んでしまうかもしれませんが、サン=テグジュペリは全編を通して次のような形で彼の哲学なりを語っています。

  • 飛行士であるサン=テグジュペリとして語る場面があり
  • 王子さまに単独で喋らせている場面あり
  • 王子さまの心中を推し量るように本音を吐露する場面あり
  • 二人の対話、会話形式という形でサン=テグジュペリが言いたいことを二人掛かりで存分に語っている場面がある

これが、星の王子さまの物語の骨組みと考えるといいと思います。

胡桃

だから子どもなのに単なる失恋ではない恋のキズを負ってたりするのよ。バラがサン=テグジュペリの奥さんといわれる所以ね。

なんだかさ、名探偵コナンが子どものフリしてるのを思い出しちゃったわ。

(*^-^)!

星の王子さまの話がよくわからん!をちょっと解決できる?

王子さまという登場人物が作者サン=テグジュペリの分身というか、そのものであると気づくと、星の王子さまの話の全貌がだいぶ見えてくるかもしれないと思うのですが、いかがでしょう?

だいぶ、と言ったのは、星の王子さまの話にはまだまだ謎めいた、分かりにくいところが多いからなのですが、宇宙からやってきたらしい登場人物という思い込みが外れると物語が楽しく感じられてくることと思います。

少なくともストレス少なく読み進んでいけるのではないかと思います。

対話形式なら何でも言えるw

私ごとで恐縮ですけれど、私が自分のブログ〈眠れる森のフランス語〉を書き始めたとき、ふと、私一人が喋るのではなくて、相手がいたらと思ったのです。その「相手」には私がちょいと言いずらいこともズバズバ言ってもらおうかな、なんて思いながら。

語学学習で何をズバズバ言って欲しいのか?って思われるかもしれませんが、私独自の語学の勉強方をお伝えすることや私が実際にレッスンで学んだ時の感動を共有しようと思うと、その興奮を表すのに一人で喋るのでは物足りなくて、ブログの中に私の思いを援護射撃(笑)してくれる人物が欲しかった。

その人物は当然私に都合が良くて笑、バレエ好きの私がくるみ割り人形の胡桃なら、彼女は眠れる森の美女のリラの精から名前をつけようと。

なので、私と作家を一緒にするのは憚られるけれど、「王子さまは渡り鳥の群れに掴まってやってきた」なんて演出もサン=テグジュペリが素敵な発想をする様子も眼に浮かぶようなんです。

それがあたしよ。それでブログで星の王子さまの会話形式を意識したの?

胡桃

ううん、全然。でもその時は星の王子さまの全編が私の細胞の一つと言っていいくらい浸透してたしね。

星の王子さまを読んだ時期と前後して、池田晶子さんの著書、ソクラテスよ哲学は悪妻に聞けというソクラテスシリーズ本を読んで、ソクラテスの妻の語りは池田さん自身と思わせ、それこそ歯に衣着せぬ、ちょっと気取ったソクラテスがひっくり返るくらいの洞察力を披露する語り口が見事でとても面白かった。私にそんな楽しい読書経験が積み重なっていたのだろうと思います。

王子さまとは誰? まとめ 子どもになれば何でも言えるw

王子さまとは、作者サン=テグジュペリ本人のもう一つの「口」

飛行士が王子さまと「出会う」のは出会うんだけど、二人が出会ってどうこうしたっていう物語ではないんだわ・・・

いかがでしたでしょうか、読書の楽しみはごく個人的なものなので、どのように解釈するか、理解の変遷なども人それぞれです。

これまで、一度手に取ってみたけれどつまらなくて読むのをやめた方や、最後まで読んでみたけど意味が分からない、難しいと思われた方は、二人の出会いでストーリーが展開する物語ではないという視点で読んでみるといいですよ。

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お読みいただき、ありがとうございました。
Merci et à bientôt !

       

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