フランス語の目的語、難しいし、やっぱり忘れちゃうのよ。日本語のように、なくても成り立つっていう無意識の習慣が抜けなくて。
Bonjour ! 胡桃です。フランス語の目的語を忘れてしまうと、時にはつっけんどんな印象を与えることになってしまうこともあるのです。誤解されてしまうのは悲しいもの、無意識のチャンネルを切り替えて目的語、大事にしましょう。身近な例文で説明します。
「好きじゃない」が拒絶に?
例文をひとつ。
あなたが友達Eさんの家に遊びに行ったとします。
Eさんはあなたにお茶を入れてくれて、Eさん自身はあなたも見覚えのあるカップでお茶を飲んでいました。
あなた:あ、Eさんのカップ、アフタヌーンティーで見かけたわ。可愛いいね。
J’ai vu cette tasse chez Afternoon Tea, c’est mignon ça.
Eさん:うん、これすごく可愛いよね。
Oui, c’est très mignon !
あなた:でも私買わなかったのよ。
Mais je n’ai pas acheté.
よくある仲良し通しの普通の会話ですが、非常にマズイやりとりがあります。
・・・あ!最後のフレーズに目的語がないわ。目的語をつけるのを忘れてるだけよね?
それがね、「あ、忘れた」だけじゃ済まされないのよ
目的語を忘れると文の意味が変わってしまう
会話の流れが肯定文なら、先方が私たちがフランス語を勉強中であると知っている間柄なら「目的語忘れてる」で済みますが、こと否定文においては
嫌悪や拒絶を意味するニュアンスに。
(; ̄◇ ̄)
うわあ!じゃあ、そんなもん欲しくねえよって言ってることになるの?
そう!これはもう、忘れたなんてのんびりフランス語してる場合じゃないわ
上記の会話を正しく言うと
あなた:あ、Eさんのカップ、アフタヌーンティーで見かけたわ。可愛いいね。
J’ai vu cette tasse chez Afternoon Tea, c’est mignon ça.
Eさん:うん、これすごく可愛いよね。
Oui, c’est très mignon !
あなた:でも私買わなかったのよ。
Mais je ne l’ai pas acheté .
je ne l’ai pas acheté. を詳しく
l’ai は、la tasse と avoir の一人称(私)の過去分詞 ai がくっついた形です。
je ne la ai pas acheté .
母音a が重なるため、l’ のように縮約形で表します。
la tasse は女性名詞、男性名詞 ならば le となり、縮約形では男女共に l’ と表します。
日本語で「でも私買わなかったのよ」は、今時なら「アタシ ソレ 買わなかった」と言ったりするでしょうか、フランス語の目的語に近いかもしれませんね。
しかしながら、奥ゆかしい?日本語では「ソレ」だの「アレ」だのは使いたくない言葉のひとつでしょう。それ故に外国語の目的語も忘れちゃうのかもしれません。
今回の例文はカップ1個のことですが、これがもっと大きなもの、こと、社会的に有名なサービスなどについて聞かれて
「私は 〇〇 はどうも好きじゃないなあ」とやんわり伝えてるつもりでも、目的語を忘れたら?
大嫌い。私の前でその話はやめて欲しいわっ!ってところでしょう
うわ〜これを知ったら目的語大事にしなきゃ
フランス語の目的語が大事なわけがわかった!
- 目的語を忘れると、こと否定文では意味合いが変わってしまうことがある。
- なくても通じる こととは違うので忘れないように気をつけよう。
日本では名詞の男性形女性形のミス、単数形と複数形のミス、動詞の活用のミスなどは超絶大事なことのようにいわれるものですが、フランスでフランス語を習っていると、それらについてはしばしば Ce n’est pas très iportant. と返ってきたりします。理由は、誰しも間違えることだから。
それよりも、目的語で話題の焦点を明確にして誤解を生まないことや、知らずにアグレッシブな表現を使っていることなどの方がよほど問題です。
目的語は聞き取りの面でもリエゾンなど、発音に関わってくるフランス語のキモともいえるし、使えるようになると楽しいので、お互いに頑張りましょう!
Merci et à bientôt !
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