さあ美味しそうな食パンを作ろう!レシピ通りに出来るかな?日本とフランスの気候の違いもあるかな。炊きたて、じゃなかった、焼き立てを食べるには何時間前から作ればいいの?
Bonjour ! 胡桃です。私のレシピでは小麦粉を計量するところから焼き上がりまで3時間20分くらいです。夕食が7時だとすると、午後3時過ぎくらいから始めると、夕食に焼き立てをいただくことができます。では、食パンのレシピをご紹介していきます!
sommaire/目次
1.1斤半の食パンを焼くための小麦粉をブレンドする
私のレシピでは小麦粉を3種類ブレンドして使います。各小麦粉を次のように計量してボールに入れ、泡立て器(スプーンでもOK)を使ってよく混ぜます。
PAIN MAISON(繊維、たんぱく質が多い灰色の小麦粉)・・250g
T45(日本の薄力粉に近い。何にでも使える万能小麦粉。特に栄養なし)・・100g
T55(T45より繊維、たんぱく質が多い)・・100g
2.食パン生地をこねる前の仕込み
- ブレンドした小麦粉の真ん中に、スパチュラなどを使って井戸を作ります。カレースプーンの背でも出来ます。
- 水286gを軽く沸かし、ぬるめに準備します。
- 井戸にドライイースト1袋(6g)を入れ、2のお湯を注ぎ、はちみつ小さじ1強くらいを加えて15分おく。
- 15分経ったら、イーストから遠いところ=ボールのヘリの小麦粉の上に塩大さじ1弱をおき、オリーブオイル大さじ1をイースト&ぬるま湯に加える。
ハンドミキサーでこねる
*小麦粉の上に灰色の塩が乗っているのが見えますね。
ミキサーで8〜9分くらいこねます。ミキサーの回転のスピードは、早くパワフルにする必要はなし。速さの調節が出来るミキサーなら、ゆっくりの方でこねます。
ミキサーに手を持っていかれないように気をつけてください。井戸をイーストの中に崩していくように混ぜていき、塩は最後に混ざるように混ぜてこねていきます。
途中でミキサーを止めて指の背でタネを触ってみましょう。生地がベタつかなくなり、ひと塊りにまとまればOK。更にこね続けることで、生地が柔らかくなっていきます。もし、水が多かった?ような場合は粉を足します。
ボールの中でま〜るく形を整える
ミキサーでまとまった生地を、スパチュラなどを使ってボールについている生地を集めて、ボールの中で、手で少しこねて十分に柔らかくなったら、丸く包んでいくような感じで丸く整えます。
私は生地をボールの中から空中へジャンプさせたりします笑。 その効果はわかりませんがパン作りのひと時を楽しく過ごしています
食パン生地を膨らませる:一次発酵
何の写真だかわからない感じですが、生地が乾燥するのを防ぐために、布巾を熱湯で湿らせてボールを覆い、その上からビニールキャップを被せます。
生地が乾燥しない環境であれば、ラップだけ、布巾だけ、などで大丈夫です。
そして暖房器のそば、上、など暖かい場所に置いて、生地が倍くらいに膨らむまで(私は50分くらい)待ちます。
発酵の具合はどうかな?チェックしてみよう
私の環境では50分経過したら様子を見ます。同じ場所で一次発酵しても、日によって同じ状態になるとは限らないので、5分かもう少し長く置くこともあります。
人差し指に小麦粉をつけて生地に指を入れてみます。生地が十分に膨らんでいるかどうかは、画像のように、目視ではガスが含まれたり、指を入れて、穴がゆっくり戻るようならOK。まだ弾力が強く残って、穴がすぐに戻る場合は、あと5分、10分、様子を見ます。
膨らませ過ぎはNGです。この段階では、生地に膨らむ力が残りながらも弾力が減っていく状態です。
生地をボールから出してガス抜きをする
膨らんだ生地をボールからマットの上などに取り出し、ガス抜きをします。スケッパーなどを使うと取り出しやすいです。
取り出した生地を丸めて、軽く軽く折りたたむような動作をすると、ガスがプスっと抜ける手応えがあります。抜ける音がキュ〜としたりします。
ガスが残っていると、焼き上がりに大きな穴が開いてしまいます。しかし生地はまだ膨らんでいく過程にあるのと、次の工程でもう一度軽くガスを抜くので、ここでは大体抜けたらOK。
ガス抜きした生地を休憩させる
ガスを抜いたらタネを丸めて、乾燥しないように布巾をかけて15分おく。ベンチタイムと呼ばれる時間で、この間にも生地は膨らんでいきます。
15分後、生地は大きく膨らんでいます。ここで再びガスを抜くのですが、生地を折りたたんだりせずに、丸いまま、優しく縁をなぞるように一周、そっとガスを抜いていきます。
食パンの焼き上がりをイメージして形を整える=成形
食パン型に、パン型の深さに合わせてクッキングシートを敷いておきます。
クッキングシートにタネがくっつきますが、焼き上がれば紙は剥がれるので大丈夫!
焼き上がりをイメージして成形。山型にする場合
生地の重さを計りながら3等分する。
それぞれを丸めて並べて型に入れます。
▽この工程が分かりやすい動画をご紹介します。
三つ編みにする場合(おすすめ!)
三つ編みをオススメする理由は、編む楽しさ、見た目の楽しさと、大きめの食パン型を使うので山型より生地がよく膨らみ、パンのボリュームが出るように思います。
生地を約25cm四方に伸ばし(棒があれば棒で伸ばし、棒がなければ手で伸ばしても問題なし)、
包丁などを使って、てっぺんから数センチ下に、縦に三等分の印をつけて、印の位置から下まで切り離して
三つ編みにして型に入れる。
食パンをふっくら焼き上げるための最終段階:二次発酵
食パン型に生地を入れたら、パン生地とクッキングシートに水を霧吹きでたっぷりかけ、濡れ布巾をかけて十分に膨らむまで、45分くらいを目安に、同じく暖房器の近くなど、一次発酵した場所に置きます。
私の環境では45分置きますが、最初は目安として、生地の様子を見ながらなさるといいです。
食パンの成否の決め手、二次発酵でどのくらい膨らめばベスト?
上の画像は山型食パン生地をパウンドケーキ型に入れて二次発酵して、オーブンに入れる前の状態です。
二次発酵でどのくらい膨らんだ状態がベストか?は、使うパン型によっても小麦粉によっても変わってきます。
そして、今までの工程が報われるか否かも、ここにかかっていると言っても過言ではありません。というのは、二次発酵で長時間置いて膨らませ過ぎると、生地は膨らむ力を使い果たしてしまって、焼いたらしぼんでしまいますので、発酵しすぎないように注意が必要です。
私が使ったパン型での膨らみの目安をご参考までに記します。
・幅より高さのある普通の食パン型:パン生地が型と同じくらい。
・幅の広い、大きいパン型:型より2cmくらい低め。
・パウンドケーキ型:画像のように型の上まで盛り上がるくらい。フランスの小麦粉T80以上の灰色の粉を使った場合は、白い粉のように膨らみませんが、ずっしりと重みのあるパンに仕上がります。
発酵の状態はその日の温度、湿度によって、いつも違う、と言えます。夏の暑い日に、いつも通りに工程を踏んでいたのに、見事に膨らんだパンが焼きあがることもあり、その再現を試みるも2度と同じ食パンは焼けず、2次発酵で時間長めにおいてみようと張り切って、逆にしぼんだ食パンになってしまったことが何度もあります。
私が発酵時間をこのように決めて、毎回同じ時間でほぼ機械的に食パンを焼くようになるまでに、時間、型、温度、小麦粉のABテストを繰り返して、1年以上かかっています。
二次発酵からオーブンへ
30分経過したら、食パン生地はそのまま二次発酵を続け、その間位にオーブンをMAXの温度で予熱開始。
15分経過=合計45分経過したらいよいよオーブンへ。
食パンの焼き時間
温度をMAXから220度に下げて、10分焼きます。オーブンに入れた時に、オーブンの底にコップ1杯の水を撒くとスチームが上がって良いのですが、オーブンの周囲が汚れるので状況次第で。撒くときはオーブンの高熱湯気にくれぐれも気をつけてください。。順番は、パンを入れて→水を入れる。
10分経過したら、オーブンの温度を180度に下げて15分焼きます。
焼きあがったら食パン型からパンを取り出し(クッキングペーパーを持ち上げると取り出しやすい)、網の上で冷まします。完全に冷めてから切ります。
繊維の多い黒パンも簡単に焼ける
ここまでご紹介した白系の食パンは、朝食から食事用、ブルスケッタや日本の菓子パン風に使えるパンですが、フランスの「黒パン」も同じ要領で簡単に焼けます。ハイジの山小屋風にハム、テリーヌ、サーモンなどととてもよく合います。食感もふんわり目でボソボソ感が少ないです。
黒パンを焼くポイント
一次発酵の時に加える塩は少なめで大さじ半分、はちみつは多めの大さじ1くらいにします。
二次発酵の時間は白系の食パンと5分短くします。この5分の違いはパンにとってはすごく大きい。
二次発酵を25分置いたところでオーブンの予熱開始、予熱開始後15分経ったらオーブンに入れます。
表面の粉は、オーブンに入れる前に粉ふるいを使って振りかけます。粉ふるいがなければスプーンで代用しましょう。
自家製パンの日持ち、保存方法
私の場合ですけれど、例えば今夜焼き上がったとすると、明日食べる分を避けて、今日のうちに保存袋に入れて冷凍してしまいます。1枚1枚ラップでくるんだりはしません。
保存料などが入っていないので放っておくと足は早いですが、食パンに限らず、焼きたてパン、パン屋さんで買ってきたばかりのパンを直ぐに冷凍すると、いつでも焼きたての食感を味わえます。
フランスで毎日自家製食パン作り おわりに
3時間を超える工程、パン作りってまさに時間の芸術ね。何かが出来るようになるってすごいことだわ
試行錯誤時代が長かったけれど今も焼く度に発見があるし、仏人に大好評だし、自分で作るのは何より安心だしね
私は料理は好きだけどパンだけは焼かないとずっと思っていましたが、こんなことならフランスに来てもっと早く挑戦すればよかったと悔やまれます。でも、フランスの小麦粉を知るまでにも年数を要しているし、早い段階でパン作りを始めたところで挫折したかもしれず、もう2年も食パンを買っていないことを思うと感慨深いものがあります。
私の食パンは粉をブレンドするところから始まりますが、どんなに慣れている作業でも、考え事などで気持ちが逸れると必ず失敗します。自分の手から何かを作り出すことって、自分を日常の雑念から開放する時間でもあるなと思うのです。
日本に炊飯器があるように、フランスにパン生地をこねるロボ(マシン)があります。いつか欲しいなと思いながらも手軽なハンドミキサーで間に合っていますが、ロボよりも欲しいのがスライサー。スライスされた食パンが売っているのが当たり前の日本の暮らしの続きの感覚と思います。
お家でパンとフランス語!頼りになる友
Merci et à bientôt !
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