1月6日頃のヨーロッパ諸国のイベント、エピファニー(公現祭)って何の日? フランスでは祝日なのかしら?
Bonjour ! 胡桃です。クリスマスムードそのまま新年を迎えるフランス、欧米諸国。新年の風物詩として登場するのが エピファニーをお祝いするお菓子 ガレット・デ・ロワ。この記事では2023年の公現祭はいつ? ガレット・デ・ロワが複数形で使われる理由、エピファニーの由来、などについて書きました。
1月6日のエピファニー=公現祭を界にクリスマスのお祝いはおわり、もみの木やデコレーションが片付け始められます。
日一日と陽が長くなり、金色のパイ生地、アーモンドクリームの柔らかな香りが、新しい春がやってくることをしみじみと感じさせる時期です。
1月6日のフランス、エピファニー/公現祭とは? 諸説ありますが、
異邦人の三博士が礼物をささげてキリストの誕生を祝った日
ー季語季節辞典よりー
降誕したキリストの栄光が公に現れたこと,特に三博士の参拝を記念する祝日。英語でEpiphany。1月6日。クリスマスの12日後に当たり,英国では前夜を〈十二夜〉といって祝う。
ー百科事典マイペディアよりー
ということで、12月25日に降誕したイエスの栄光が公になり、東方の三人の博士が礼物を携えてイエスの元に参じた日 というとわかりやすいと思います。
これも知っておきたい
復活祭,聖霊降臨祭とともにキリスト教最古の三大祝日の一つ。
ーブリタニカ国際大百科事典 小項目事典よりー
1月に入ってもクリスマス飾りを片付けない理由
1月にフランスを旅行すると、ホテルや街のあちこちにクリスマスのデコレーションが飾られていますね。
日本がカレンダー通りに、壁紙を張り替えたように新年になるため、なんとも不自然に目に映ったりするものではないでしょうか。
ここで「欧米人はテキトーなんだなあー、まだ片付けないんだなー」と思うのはちょっと待って。ちゃんとわけがあります。
1月6日のエピファニーはキリスト教の三大祝日ということで、エピファニーまでがクリスマスのお祝いなのです。
この日を過ぎると、各家庭から街の広場や教会などにもみの木が出されて、もみの木の回収車が走る風景が見られます。
しかしながら1月6日を過ぎても、商業施設などでもツリーなどの飾りはやはり残っていますが、エピファニーのお菓子、ガレット・デ・ロワを「食べなくなる頃」くらいを目処に片付けるところが多いです。
エピファニーは1月6日だが、フランスでは移動祝祭日
フランスでは1月2日から1月8日の間の日曜日がエピファニーとなります。
2023年は、1月8日日曜日がエピファニーの祝日です。
*因みに1月6日が祝日の国もあり、1月6日が平日でも商業施設等は休みになりますので、渡航前には行き先の国の祝日を調べておきましょう。
ガレット・デ・ロワはなぜ複数形か?
ついでに知っておくと楽しいのが、
東方の三博士が生まれたばかりのイエスの元へ、素晴らしく輝く星を頼りに参じたと言われていて、クリスマス・ツリーのてっぺんに星を飾るのはこのためです。 昔、子どもがお世話になった保育園で教わりました(*^-^)
そして、東方の三博士を Rois mages といい、
galette des Rois と複数形で表されるのはその由来からです。
フランスではガレット・デ・ロワでアペリティフも
ガレット・デ・ロワとは? どんなお菓子かというと、
最近は日本でも多く出回っているようですが、アーモンドクリーム・パイです。
féve フェーヴ(そら豆の意、昔はそら豆が使われていた)と呼ばれる陶器の人形が一つしのばされたガレット・デ・ロワはこの季節のアペリティフにも使われるお菓子です。
切り分けられたガレットにフェーヴが入っていた人がかんむりを頭に載せます。
パイの中に仕込まれている féve はこんな感じです
ガレット・デ・ロワとシャンパンで午後を過ごす、フランスならではの楽しさだと感じます。
切り分けられた中にフェーヴが入っていたら、その人は王様か王妃様ということで、ガレットについている王冠を被ります。
それだけの楽しみなのですが、大人になっても切り分けられた時はワクワクするもの、「当たり!」は嬉しいものです。
切っている時に包丁がフェーヴに命中しちゃうこともありますが(´・ω・`)
フランス映画の中のガレット・デ・ロワ
シェルブールの雨傘 の中で、
カトリーヌ・ドヌーヴ扮する主人公ジュヌビエーヴの母が、娘を見初めた宝石商、カッサールをディナーに招き、ジュヌビエーヴに切り分けられたガレット・デ・ロワにフェーブが当たり、ドヌーヴが紙製の王冠を頭に載せるシーンがあります。
その楚々とした美しさにカッサールは「聖母マリアのよう・・・」と恋心を募らせる、とても印象的なシーンの一つです。
雲に閉ざされ、雨が降らない日の方が少ないノルマンディの冬、
ガレット・デ・ロワが登場するだけで厳しい冬を凌ぐ時期であることが容易に想像されます。
物語は、ジュヌビエーヴがお腹に宿した命の父である恋人を、戦争と貧困が引き離していきます。
シェルブールの雨傘の若い恋はなんとも儚く、入れ替わるように新しい人生が始まっていきますが、そんな運命の流れを、ガレット・デ・ロワが一役かっています。
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ガレット・デ・ロワの季節に見たい。
フランスでは毎年3000万個のガレット・デ・ロワが食される
エピファニーのお菓子ではあるものの、今や新年の知らせのような存在になっています。
スーパー内のパン屋さんでも年末から売り出され、ピカチューの絵の紙袋に入れられているのも見かけます。
ガレット・デ・ロワはエピファニーの前から、1月終わり近くまで買えます。
私はフランス語のレッスンの帰り道に買って帰るのがとても楽しみなんです(*^-^)
フェーヴは陶器で大きいものも多いので、切り分けて皆でいただく時はジュヌビエーヴのごとく、しずしずと食べないとキケン!です(^◇^;)
Merci et à bientôt !
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こんにちは胡桃さん、
3000万個のガレットデロワですか!人口に対して、1人ホールの半分くらい食べていることになりますね!
私も大好きです。
シェルブールの雨傘で、なぜ冠を載せるのが何なのかわからなかったんです。
紙とは思わず、当たりがあったからとも思わず。。。
なるほどあの時食べていたのはガレットデロワだったんですね。
何しろ17歳の時にこの映画を初めて見た私は、同じ歳のジェヌビエーブに感情移入して
最初の頃から泣いて、映画館を出られないほど目が腫れてしまったんです。
食べ物よりも壁紙も洋服もキュートなものばかりで、そこが印象に残っていました。
あの傘のお店も劇場も今もあるそうですね、行ってみたいなあ。
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みさこさん、こんにちは! いつもお読みいただき、コメントをありがとうございます(^^)
シェルブールの雨傘、17歳、映画館・・・映画を彩る何もかもが大スクリーンから迫ってきて、どんなにか素晴らしかったことでしょう!
想像して鳥肌が立ってきました。
本当に、壁紙とドレスが同じデザインだったりコスチュームも洗練の極みですよね。
シェルブールの雨傘店は撮影に使われた場所とは別に、映画がヒットした後に「シェルブールの雨傘」と、映画の名を冠した傘の会社があります。
私の住む方でポルシェのイベントがあるときなどによく出店されていて、オーナーさんが日本贔屓で、日本のシルクを使った日傘もありました。
気候が厳しいノルマンディの風雨に耐え得る、とても丈夫で美しい雨傘を作っています。
映画の冒頭でカッサールがメルセデスをギイに預けて、最後のシーンでその車をかつての恋人が運転して逢いに来きたり、涙なしでは見られませんね。
同じノルマンディですが近くて遠いシェルブール、私も行ってみたいです。
今年もひと頑張りしたら、ガレット・デ・ロワの季節がやって来ますねo(*⌒─⌒*)o