水仙が咲き始めると冬が終わるお知らせのようで幸せな気分になるわ。ところでフランス語で水仙は、ナルシスでよかったかしら?
Bonjour ! 胡桃です。マルシェで素敵な風景に出会いました。マルシェに出回る花々で季節の移ろいを感じますが、この記事では水仙のフランスらしいエピソードと、フランス語で水仙の表現をご紹介します。
水仙のブーケをプレゼントするなんて粋だね
マルシェの入り口で黄色いブーケが売られていました。マルシェで見かける花は、花屋で見かける花よりも旬を感じさせてくれます。
フランスでは小ぶりの水仙はまん丸のボールのようなブーケに束ねられて売られています。
明るい黄色は日差しの色そのものですね。
マルシェを歩いていたら、両手でこの水仙のブーケを胸元に持っている女性の姿が目に入りました。傍らには、その女性の肩を抱く男性が一緒です。
うわぁ❣️カレから水仙のプレゼントなのね!
ね!ふたりはバカンスに来ていたようだったわ
フランスは道行く人がアートのようね。なんてステキなんでしょ
カフェもレストランも閉まっているフランスですが、恋人たちには思い出のバカンスになったことでしょう。
フランス語で水仙は何という?
- ラッパ水仙でおなじみのナルシス narcisse(詩人の水仙=Narcisse des poètes)
- もう一つは黄水仙 ジョンキィユ jonquille (jonquille véritable)
ナルシスとジョンキィユの違いは?
どちらの水仙も品種が多いので、あくまで目安とされていただければと思います。
ナルシス(ラッパ水仙)の特徴
水仙の総称であり、主に日本のラッパ水仙に近い品種を指す。
花は直径7cm、高さ50cmほどにも。葉は縞模様、硬めで真っ直ぐ。1輪1輪が孤立して咲く。
ジョンキィユの特徴
ナルシスの一種で、上記のラッパ水仙とは別物(学名はNarcissus Jonquilla、スペイン語に由来)
花は直径3cm以下、ラッパの部分は低く、花弁が尖っている。花が株の中で群植する。葉は高さ40cmくらい、形状は極端にいうと縦長の半円。
先ほどの恋人たちの水仙はこちらです。
牧草地や街路などで黄金色の見事な景観になる花です。
ナルシスをジョンキィユと呼ぶのは間違いですが、どちらなのかわからない場合はナルシスでよい、ということだそうです。
日本で見かけるラッパ水仙は、フランス北東部やベルギーで、同じくnarcisse trompette=ラッパ水仙と呼ばれています。
また、水仙が咲き乱れる牧草地が続くことでも有名なアルザスとロレーヌ地方では、ジョンキィユはナルシスと呼ばれているそうです。
何れにせよ、黄色いからジョンキィユ、と 花の色で区別するものではありません。
失われた時を求めての〈ゲルマントの方I〉にも水仙が登場していて、水仙の花々を narcisse et jonquille と書かれています。
ジョンキィユはフランスの色の名前にも
フランスの黄色の色、サフラン、ミモザなどに混じって、ジョンキィユという色があります。jonquilleという単語は黄水仙という名詞である一方、「黄水仙色の」という形容詞でもあります。この黄色いマーカーの色#FDCE00です。
辞書に、名詞に続いて形容詞の表記がある単語は、270色あるフランスの「色彩」を表していることが多いです。
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