その日はスーパーでどっさり、備えのための買い物をした。瓶類、水のペットボトル、お米に塩、小麦粉、鳥の餌など、自転車に積むには重すぎる荷物となってしまった。ともすればちょっとの坂で自転車がひっくり返ってしまう、うかうかと停車できない重さだ。
駐輪場を出るときに、とにかく自転車が傾くことのないように気をつけないと、と気を引き締めた。
走り出してしばらくすると、後ろから大きな車が私を追い越せないでいる様子。ミラーを見ると巨大なゴミ収集車だ。私はゴミ屋さんの車を先に行かせようと、迷わず端に避けた。
すると、止まっている私の真横にゴミ屋さんの車も止まったではないか。同時にすごい匂いもしてダブルでびっくりした。
そして車の窓から私に何か言っている。声の方を見上げると、男性が3人乗っていて、運転している方が「バスケットにすごい荷物だ、自転車が倒れないように気をつけなさいよ」と。
食料○が来るやもしれないひと筋の不安と緊張、重い荷物を積んでる緊張。そんな折に、親のように優しい言葉をかけてくれる人がいる。
私は出来るだけ明るい声で「優しいお言葉をありがとう!お気をつけて、良い一日を!」と言い、涙が溢れた。
今でも同じ道を走る度に思い出す一コマです。
無事に家について、高い運転席から自転車のバスケットの荷物が車高の高い運転席からどんな風に見えるか見てみたら、何から何までよく見えるわと笑ってしまった。
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