フランス語がいまいちでも、頼みごとだけでもばっちり丁寧にキメたいなあ。日本人ですもの。
Bonjour ! 胡桃です。フランス語の条件法は日本語の接遇言葉ともニュアンスが一致しますので、勉強は意外と楽勝です。したいことを言うときも、お願いするときも、完璧に丁寧な表現になります。この記事では最高に丁寧な依頼表現の作り方と Je voudrais と Voudriez-vous の使い方をわかりやすく説明します。
フランス語の先生といつものようにフランス語/日本語を教え合うレッスンをしていたとき、ちょっと面白い発見がありました。
どんなことかというと、フランス語のvouloir と日本語の「〜したい」に思いがけない共通点があったのです。
したいことをやんわりと表現することを、フランス語では条件法を使う、という認識で知られていますが、日本語だって何のなんの
フランス語初心者でも日本語感覚で理解できる接点に気づいた!
それではフランス語の動詞 vouloir で最高に礼儀正しい依頼の表現を見て行きましょう!
記事を読んだらフランス語で自信を持って頼み事を言いたい放題!になれますよ(*^-^)!
フランス語でしたいことを言うときに、Je veux は使ってはならない。
簡単な例文で見て行きましょう。
「コーヒーをいただきたいのですが」
“Je voudrais un café, s’il vous plaît.”
ここで コーヒーお願い!を、「Je veux ではなくて、vouloir の条件法 voudrais を使うと丁寧な表現になる」と日本語の学習本でよく見かけます。
実際には、丁寧になるから条件法を使う、というのはちょっと違っていて、直接法の Je veux を使うと、相手に対して「攻撃的」ともいえるとても強いニュアンスを含んでしまうのです。
フランス語でも人に対して自分の欲求をダイレクトに言うのは眉を潜められるわけです。
さすが日本!人の欲求を上手に汲み取るのはお手のもの
フランス語を勉強中の私たち、フランス語では何だかよくないらしいと気づいている Je vous ですが、次のフレーズをどんな日本語にしますか?
“(Est-ce que) vous voulez un café ? ”
コーヒーでもいかがですか?になるわね。機内ならコーヒーはいかがでしょうか。
そう、ここで注目したいのが、「コーヒー飲みたいですか?」とストレートに言わないところですね
日仏語レッスンで、”vous voulez ムニュムニュ” の日本語、どうやって訳すんだね? 何でこんな言い回しになるんだ?と詰め寄られました。
私たち日本人は動詞の活用も習わないうちに覚えるんだから、ネイティブも丸暗記すればいいのに
と、そこに一瞬、言葉の天使が舞い降りた。
日本語では、相手の欲求を汲み取ろうとするのが条件法のごとく和らいだ表現になるのかも!
この気づきを先生に伝えると、日仏語を通して私たちは同時に独りごち、←ヘンな日本語でごめんね、日本語を学ぶ先生は一瞬にして日本語のvouloirのカラクリが腑に落ち、日本語との両思いに近づいたかのようでした。
相手が言いにくそうにしていることをはっきり言わずにおもんばかる感じですね。
パリで、日本語を話せる仏人から、リラ子は結婚欲しいですか?って言われたことがあるわ(笑)
私たちも “Je veux” を使ったら、フランス語で「何がなんでも結婚欲しいのよっ!!」って言っていることになりそうですね。
(* ゚ω゚ *)
いつでもフランスで暮らせるよ。依頼表現の最上級フレーズの作り方
では、頼み事を伝える最高に礼儀正しいフランス語の表現の作り方です。
フレーズを書いて壁に貼って、とにかく覚えてしまいましょう。いつでもフランスに行けます。暮らせます。
vouloir の条件法=voudrais+相手の人称+頼みたいことの動詞の不定詞+s’il vous plaît
例文を見てみましょう
「こちらに来ていただけないでしょうか?」
“Voudriez-vous venir, s’il vous plaît ?”
ヴドリエ ヴ ヴニール
「ちょっとこっちに来てくれない?」tu の相手にもこのように
“Voudrais-tu venir, s’il te plaît ? ”
ヴドレ テュ ヴニール
Je voudrais と Voudriez-vous の使い分け
Je voudrais 「〜をいただきたいのですが」という自分が欲することを伝える表現
Voudriez-vous 「〜をしていただけますでしょうか?」という頼み事の表現
命令形でお願い事をしていないか?いつも気をつけよう
気をつけなければいけないのは、丁寧かどうか?よりも、知らずに命令形で頼んでいないか?につきます。
同様に、Peux-tu…とか、Pouvez-vous….も、意外に口調が強いフランス語の表現です。
ですが、人によってはこれで十分、ということもあります。慇懃無礼は世界共通です(笑)
親しくなったり頻繁に会う人には、外国人として「丁寧さ加減」をはっきり聞いてしまうのも個人的にオススメです。あとがラクですよ。
▽命令形との区別についてはこちらの記事で詳しく書いています。
フランス語で Je veux を使うシチュエーション
何かをすすめられたときに「ぜひいただきます」というフランス語
Je veux bien.
フランス語の最高に礼儀正しい依頼表現まとめ
要望や依頼をするときに言葉に心を砕くのは日本語ならではのワザですが、フランス語では条件法の文法によって決まります。
条件法の文法を勉強していなくても、早めに覚えておきたい文型です。
要望 と 頼み事 の使い分け
Je voudrais は、自分がしたい「要望」を伝える表現
Voudriez-vous は、相手にして欲しいことを「頼む=依頼すること」の表現
礼儀正しい依頼表現のポイント
- 自分がしたいことに Je veux を使わないこと
- 命令形を使っていないか?気をつける
- 学習本に書いてある「くだけた表現(語尾に?マークをつけただけの表現など)」には注意が必要
Merci et à bientôt !
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