フランス語を習い始めたときに教わったUn café, s’ il vous plaît. とお会計の l’addition, s’il vous plaît.はどこでもOKなのかしらね? 依頼表現を覚えるうちに気になってきたわ。
Bonjour ! 胡桃です。場所によりますのでUn café, s’ il vous plaît と、きちんと注文するフレーズと使い分けが必要です。この記事では注文とお会計をお願いする条件法の使い方とフレーズをまとめました。
通常、飲み物や料理を注文するときや何かをお願いするときの動詞はつぎの3つがあります。
- vouloir voudrais
- prendre
- aimer
カフェやレストランなど飲食関連でフランスで最もよく使われているのは prendre ですが、3つの動詞のどれが丁寧とか、美しい表現とか、ということは全くありません。
あなたが言いやすい動詞を使いましょう。
- Je voudrais〜,
ジュ ヴゥドれ - Je prendrais〜,
ジュ プれンドれ - J’aimerais〜,
ジェメれ
それではprendreを例に注文のフレーズを見ていきましょう。
フランス語できちんと「コーヒーをお願いします」
Un café, s’ il vous plaît.
アン キャフェ スィル ヴ プレ
を丁寧な表現では
Je prendrais un café, s’ il vous plaît.
ジュ プれンドれ アン キャフェ スィル ヴ プレ
お店の雰囲気で使い分けかしらね?
いつも丁寧な方の表現を使っていれば間違いなさそうですが、お店の雰囲気は立地や客筋など様々です。
使い分けはどうしたものかとパリジャンのベテランでもある先生に聞いてみたところ、お店の回転の速さを一つの目安にするといい、とのことでした。
例えば、年代を問わず多くの人が食事に来て、食べ終わったらすぐ帰るようなカジュアルなお店や、コーヒー一杯でちょこっと休憩するカフェだったら
Un café, s’ il vous plaît.
アン キャフェ スィル ヴ プレ
くつろいでゆっくり過ごすカフェ、サロン・ド・テ や伝統的なカフェなど だったら
Je prendrais un café, s’ il vous plaît.
ジュ プれンドれ アン キャフェ スィル ヴ プレ
フランスで最もポピュラーな注文の表現は未来形
ここまで条件法を使ってきて突然ですが、実はフランスのカフェで最もよく使われている形は未来形。
Je prendrai un café, s’il vous plaît.
ジュ プれンドれ アン キャフェ スィル ヴ プレ
先の3つの動詞
prendre, vouloir, aimer を
条件法で言っても、単純未来で言っても全く問題はありません。
「丁寧さ」に関して言えば、条件法の方が、単純未来より丁寧になるものの、prendrais(条件法)、prendrai(単純未来)は発音が同じ。
そして、単純未来の時制のニュアンスはneutre ニュートラル なので、丁寧もなければ失礼もないのです。発音が同じで注文するときに紙に書くわけでもないのでね。
もし筆談なら条件法、ということね!
単純未来に s’il vous plaît は必要?
prendrais と prendrai の発音が同じなので、フランスの日常の言い回しとしては取りあえず s’il vous plaît をつけて使われているいうことです。
このフレーズでは条件法と単純未来とで、丁寧さの違いはありません。
フランス語でお会計のフレーズ
使い分けは注文する時と同じです。
Un café, s’il vous plaît.
を使うタイプのお店で「お勘定をお願いします」というなら
l’addition, s’il vous plaît.
ラディスィオン スィル ヴ プレ
で OK 。
ゆったりとくつろぐお店や伝統的なカフェで
Je prendrai un café, s’il vous plaît.
のフレーズでお茶をいただいたお店で「お勘定をお願いします」と言うなら
Pourriez-vous m’ (連れがいる場合nous)‿ apporter l’addition, s’il vous plaît.
プリエヴ マポるテ (ヌザポるテ) ラディスィオン スィル ヴ プレ
「計算書を持ってきていただけますか?」
レストランなどでもl’addition, s’il vous plaît. よりこちらがいいですね
Je veux はなぜいけないの?動詞 Vouloir のこと
フランス語の動詞は一般的に、条件法になると丁寧な表現になる、と言われています。
vouloir も、Je voudrais と使うことで丁寧さが上がるわけです。
ここでちょっと知っておきたいことがあります。
もし、Je veux 〜 と切り出すと、相手にどんな感じを与えるか?と言いますと、
「丁寧さが足らない」「美しくない」「粗暴な言葉遣い」
とも、少々違う
agressif 攻撃的な
というニュアンスにもなるので (゚Д゚;) 用い方が難しい動詞だと教わりました。
agressif、日本語では意味が捉えにくい形容詞ですが
自分が「こうしたい」ということを、 vouloir で使うときは、
Je voudrais 〜 と切り出しましょう。
自分が 「こうしたい」「こうしようと思う」は、別の表現の仕方もありますし、Je veux の方がふさわしい場面もありますが、
vouloir を使うときは 基本的に Je voudrais 〜🎵.と覚えておきましょう。
例えばこのような例
「お借りしてる本を 明後日 お返ししますね」
Je voudrais vous rendre le livre après demain.
ジュ ヴゥドレ ヴ れンドる ル リーヴる アプれ ドゥマン
こんなニュアンスで日常よく使う、申し分なく丁寧な表現です。
日本語でイメージすると次のような気持ちも伝えられます。
- 「お返しするのは明後日でもいいかしら?」
- 「明後日にはお返ししたいと思うの」
条件法はコワくない。大人には便利な文法
条件法は決して難しくなく、むしろ、大人として社会生活を送る上で欠かせない時制、何かと便利ともいえます。(DELF B1は条件法が大きなポイントとなっています)
しかも、敬語の表現が幾つもある日本語からすれば、フランス語ではこれひとつ覚えれば大丈夫ですのでラクといえばラク。初級の終わりの方で出てくる文法ですが、も〜早く言ってよ、といいたくなるくらい知りたい」ことばかりです。
Par contre, 日本語の敬語を勉強するネイティブは汗も固まるくらい大変そうです。
Merci et à bientôt !
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