フランス語で「〜してもいいですか?」って許可を求めるフレーズは、どんな表現を使えばいいかしら? 疑問文の倒置形はなんか難しいわ。
Bonjour ! 胡桃です。「・・・してもよろしいですか?」と、相手に許可を求める表現をフランス語で最も丁寧に言うなら、pouvoir を倒置して
“Puis je + 不定詞“ ですが、いや、でしたが、きょうびのフランスでは使われなくなりつつあります。
この記事では許可を求める表現を見ていきましょう。
許可を求めるPuis-jeはもう覚えなくていい
時代の変化とともに社会で使われる言葉が変わって行く流れは、フランスにおいても顕著であると言われています。
フランス語を学ぶ日本人としては「フランス語の丁寧な表現」を使いこなせるようになりたいと思うものですね。
しかしながら私たちの気持ちとは裏腹に本国フランスでは、これまでは考えられなかったフランス語の表現が社会生活に浸透しています。
「・・・してもよろしいですか?」と、相手に許可を求める表現。
これを最も丁寧に言うなら、動詞 pouvoir の倒置形
“Puis je + 不定詞+“
難しそうだけど覚えなければ!と思ったフレーズの一つではないでしょうか。
ところが。
“Puis je + 不定詞“ で尋ねる表現は、もはや覚えなくてもいい表現の一つとなってしまったそうです。
(゚Д゚;
最近は美しいフランス語が通じないって?
衝撃の証言 その1 日本語の練習にペンを買いに行ったら
先生は日本語を「書く」ことに熱心に取り組み、「とめ、はね、はらい」と書き順の習得に励んでいました。
慣れない筋肉を使って手を痛めてサポーターを巻いていらしたこともあり、日本語を書く「ペン」選びが切実な問題になってきて、先生はパリで手に合った万年筆を見つけました。
問題は、このときのお買い物フレーズ。
素敵なペンを見つけた先生は、お店の人に
“Puis-j’essayer d’écrire avec ce stylo ?”
ピュイジェセイエ デクリーる アヴェック ス スティロ ?
「このペンで試し書きをさせていただいてもよろしいでしょうか?」
もちろんです、さあ、どうぞ、と白い紙が差し出されることでしょうね
ところが。
店員さんはきょとんとした顔でフリーズ。
先生は「なんてコッタ、本当にフランス語が通じないのだ」
と理解し、全部で5秒フリーズ後
Est-ce que je peux‿ essayer d’écrire avec ce stylo ?
エスク ジュ プゼセイエ デクリーる アヴェック ス スティロ?
「このペンで試し書きをさせていただいてもよろしいでしょうか?」
と尋ね直して、試し書き&お買い物終了。
衝撃のフランス語 その2 四つ星ホテルで働くSさんの話
先生の話に驚いた私は、フランス全土から訪れる宿泊客と日々対応しているSさんに質問してみました。
Puis-je はフランス語として通用しなくなったって聞いたけど、本当??
ホテルのSさん曰く
「そうだね、大抵、 Je peux だね、Est-ce que がつけば、いい方かも」
と残念そうな表情 (´・ω・`)
じゃあ、フランス語を勉強している日本人はどーすればいいわけ?
先生は Puis-je・・・は、très beau français =とても美しいフランス語です。でも覚えなくていいです。もう、フランスで誰もが使う表現ではなくなったから。
と、ため息混じりに。
私たちが覚えたいフランス語の許可を求める表現とは?
私たちがフランスで「・・・してもいいですか?」を尋ねる時のフレーズは、丁寧さなどを気にせずに、これだけ
Est-ce que je peux +したいことの不定詞
Est-ce que je peux regarder ici ?
エスク ジュ プ るギャるデ イスィ ?
「店内を見て回っていいですか?」
Est-ce que je peux le toucher?
エスク ジュ プ ル トゥシェ ?
「手にとってみてもいいですか?」
もちろん今も Puis-je を使う人は使います。
今30代くらいの人は言葉は知っているものの、35歳くらい以上でないと使っていないと思われ、日常生活の中で使われることが激減した言い回しだそうです。
両方覚えて使い分ければいちばんいいでしょうけれど、
これは日本語で言うところの「死語」のようなもの?と思ってSさんに尋ねると、
une expression disparue =どこかへ行ってしまった表現だそうです。
disparu, disparue
ディスパリュ
意味:見えなくなった、姿を消した
使い方
soleil disparu
ソレイユ ディスパリュ
沈んだ太陽 とか、行方不明 など
許可を求めるフランス語 おわりに
このような身の回りの体験談を狭い個人的な話と思うか、そんなこともあり得るらしい、と情報のひとつとして捉えるかは自由ですが、最近のマスコミの言葉の乱れは多くの人が指摘するところです。
リエゾンもしなくなってきていますし、ホテル勤務のSさんによると、あり得ないリエゾンを聞くこともあるそうな。
Puis-je の表現は、使う人は使っています。
そして、Est-ce que je peux も、簡略でも失礼でもないので、Est-ce que をつけることを忘れずに使っていきましょう。よくないクセは簡単について、口が勝手に喋ってしまいますのでね。
Merci et à bientôt !
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