Bonjour ! 胡桃です。フランスで受験するDELF B1の筆記試験に続いて、午後から行われた口頭試験の一部始終をお伝えします。(口頭試験は、日本とフランスと、状況が違うようです。)
sommaire/目次
DELF B1口頭試験の試験官は2人
口頭試験の部屋の場所を確認しに行くと、ドアに張り紙があり、受験生の名前と生年月日が書いてありました。
個人情報も何もあったもんじゃないですね。
部屋の前に椅子が並べてあるだけで、待合室はありません
椅子は若い学生たちが占領していて座るスペースがなく、私は部屋から離れた広い場所で立ったままノートを広げたりして自分の番を待ちました。
座りたかった。
できることなら、普通にあったかい部屋で。
ほぼ時間通りに名前を呼ばれて部屋に入ると、前の受験者がまだ口述中でした。
(ノ; ̄□ ̄)
試験官は男女1人ずつ。
2対1の口頭試験です。
部屋に入って、習慣でダウンを脱ぎましたが、瞬時にブルブル
(((; ゚Д゚)))
ここも暖房なしなんだ(*’д’*)と慌ててダウンを着て、マフラーも巻いたまま、襟をぴっちり閉めました。
女性の試験官に、テストのためのテキストを選ぶように指示されました。
フランス語 DELF B1のくじ運はいかに?
口頭試験は3つのテストがあります。
- 自己紹介とそれに対する質問に答える
- あるテーマについて試験官とロールプレイ
- あるテーマについて自分の見解を論理的に口述する
この3つのテストの、ロールプレイと次の口述のためのテキストを、裏返しになっている紙の中から2枚ずつ選び、それぞれの好きなテーマで試験を受けます。
裏返っている紙は、ロールプレイ用は10や20ではない、広い机いっぱいのすごい数でした。
口述用も、ロールプレイ用より多少少ないものの、なぜこんなに?と思う数が置いてありました。
生徒間で情報が漏れないようにするための対策かもしれません。
私が引いたくじ、じゃなかった、テーマは、ロールプレイ用は
‘フランス語コース関連’ と ‘背中が痛い’ で、私は ‘背中が痛い’ を迷わず選びました。
怪我には慣れているので、神さま、ありがとう とつぶやきました
口述のくじは、吉とも凶とも言える感じ。
(;  ̄ェ ̄)
私は ‘フランス人の間でマラソンが人気’ のテキストを選び、捨てた方の内容は記憶から飛んでいます。ごめんなさい。
話しの構成を考えなきゃ、と思うも、妄想力が湧いてこない。
前の男性のテストが終わり、いよいよ私の番です。
2人の試験官の女性の方が主にロールプレイと対話担当、男性は質問と採点担当です。
厳しい試験なんだなと思いました。
フランス語 DELF B1 の自己紹介
私は全部で10項目を準備しておきました。
名前から始まって
・住んでいるところ
・フランスでの結婚
・日本の家族のこと
・日本にいた時の仕事のこと
・現在の仕事
・フランス語学習のこと
・日本語を教えていること
・フランスの芸術が好きなことと
・バレエとパリ・オペラ座バレエへの35年間の情熱
これらのフレーズは試験勉強に入っていの一番に準備しておいたので、今日のように具合が悪くても口が勝手に喋りました。
(つ゚o゚⊂)
これだけ喋ったら質問は来ないだろうと思っていましたが、日本で花と料理を教えていた、ことについて、
男性試験官 「今も料理を教えているんですね?
女性試験官 「(何言ってるの?って感じで)今は無理よねえ?」
私 「はい、今は簡単ではありません」
日仏語を教え合っていることについては
男性試験官「フランス語は学校で習っているんですか?」
女性試験官「そうじゃなくて、彼と教え合っているのよね?」
私 「そうです。毎週彼の家に行って教え合っています。街に学校はありません」
私が正しい時制で話したにも関わらずの質問で、その度に女性が助け舟を出してくれるのでした。
最後には
男性試験官「彼の日本語は上達したか?」ですって。
私 「もちろんです、いい先生がついていますから、目を見張るような上達ぶりですことよ」
女性試験官には非常にウケました。
ということで、自己紹介テストは Très bien, Madame で終了しました。問題はこれからです。。
(^▽^)
フランス語 DELFB1 ロールプレイ
このテストの準備は前日にちょこっとだけしかしていません。
私が選んだテキストの内容は
‘あなたは背中を痛めた。医者に行くと、痛み止めの薬を出すと言っている。でもあなたは、薬より自然な治療法を望んでいる’
というものでした。
女性試験官がドクター役です。
挨拶してから、
ドクター「どうしました?」
私 「背中が痛いんです」
いきなり背中が痛いと言ってしまってはダメじゃない?
そおなのよ、ほんとのお医者さんじゃなにのね
男性試験官からすかさず
「なんで怪我したんですか?」と質問が。
あー、いけない(^^;;
私「階段でコケました。両手にショコラショーを持っていたので手すりに掴まれなくて」
妄想が働き(^▽^) ホッとします。
ドクター「では、痛み止めを出しましょう」
私 「それはいいですね。でも、私は胃が弱いので薬はあまり気が進みません」
ドクター「あら、少し強い薬だけど、すぐ楽になるわよ〜」
私 「そうなんですね。でも、以前、薬で胃が痛くなったことがあって」
ドクター「じゃあ、胃の薬も一緒に出しておきましょう」
私 「それは安心ですね、でも、胃が痛くて辛かった経験があるので、何か別の治療法はないでしょうか? 私は薬を使うよりも、自然な方法で治す方がいいです」
ドクター「例えばどのような?herbとか?、でも、治るのに時間がかかりますよ」
私 「体を冷やさないようにして、痛みは我慢します。」
ドクター「じゃあ、キネジテラピー(マッサージ治療)なんてどうですか?」
私 「それそれ、それにします」
お礼と別れの挨拶でおしまい。
私はフランスでキネジテラピーにお世話になったので、神様、本当にありがとう でした。
前日チェックした内容通りの展開ができたと思います。
別の記事でこの辺りの勉強のポイントをお話しますが、マーカーを引いたところのように、相手の意見をまず受け入れることが重要です。
男性試験官からも所々質問が入りましたが このテストも Très bien, Madame で終了。
ですが、男性試験官は、私をじーっと観察して、一語一句を採点している様子でした。
条件法を一回使うと試験官の手が動き、もう一回使うと、また手が動き、私が言い淀むと手が止まり私に視線が刺さり・・・厳しい雰囲気でした。
まだテストが続くのかと思うと、目の前がクラクラするような感じがしました。
声もだんだん、風邪で上ずったヘンな声になって。
私も前の男性のように、大声を張り上げているのがわかりました。
フランス語 DELF B1 口述試験
私が引いたテキストの内容は、
‘フランスではマラソンブーム、特に若い女性たちの間で人気、でも昨今は10キロの障害物走にエスカレートするケースもある’
というようなもので、もう片方のテキストの内容は覚えていなくて、ゴメンなさい。
テキストの内容について、自分の見解を論理的に口述していくのですが、私は DELF 対策コースを受けていないので、どのようなテスト形式なのかよくわかりませんでした。
そして、ネット上でいわれている日本での試験の様子とも違うもののようでした。
走ることに興味がないですし、ごく当たり前のことしか想像できません。
妄想エネルギーも欠乏。
くじ運に「神様、ちょっと冷たいのね」と思いました。
走るメリットとしては、
健康維持によくて、お金がかからない手軽さがいいと思う。
日本でも人気があります。日本は日の出ずる国ですから、雪の地域を除いては冬だって朝晩走るもは難しいことではありません。
私は日本でダンスに打ち込んでいたが、レッスン費用がかかる、などと例を上げ、
デメリットとして
障害物走は危険だと思うし、走ること以外の特別なトレーニングが必要だろうし、それでは手軽に楽しんで健康維持をするという本来の目的と違ってしまうだろう。
などと上げました。
でも、これだけでは意見として少なすぎます。
話す間に男性試験官からどんどん質問が来ますし、それで話が行ったり来たりしてしまいました。
男性試験官「フランスでは特に若い女性の間でマラソンはすごい人気です。グループで大会に参加したりしています。それについては日本はどうですか?」
というような質問が入ると、それに答えることがやっと、言わなくてもいいことを口走ったり(´゚д゚`)
論理的な展開はうまく行きませんでした。
言いたいことの着地点を忘れずに、質問にも論証するがごとく答えなければならなかったのだと後でわかりましたが、テストが長いのなんのって。
いつになったら解放してもらえるんだろう、と気が遠くなりそうでした。
先のテストと同様に、試験官は質問を投げながら私の一言一句をつぶさに採点している様子でした。
と、次の受験生が部屋に入ってきて、テキストを引いています。私のテストもあと10分くらいだ。
私としては随分話したつもり、やるだけやった気持ちで部屋を後にしました。
時計を見ると、30分経過していました。
口頭試験の準備は、なんとかなるだろう、と思っていた部分もありますし、聞き取りテストと読解がすごく不安で、準備の時間を取れなかったのです。
直前に、先生に口述をちょっと見てもらおうと思っていました。
なのに、12月に入って先生のワンちゃんが病気になり、そのまま逝ってしまったためレッスンもキャンセル、大嵐の中を病院に行ったり埋葬したりの先生の悲しみを思うと、また、私にとってもその仔は友達でしたから、食欲もなくなるほどに悲しい出来事でした。
そんなわけで、口頭試験はほぼ、ぶっつけ本番でした。
何が起きるかわからないものだわ、早め早めの準備が大事ね
DELF B1 試験の1日が終わって
本国フランスでのDELFは採点が厳しいと聞いていましたが、このことなんだとわかりました
論理的に発表すればいいだけではなく、会話をしながら、試験官の質問や意見に対しても、見解を筋道立ててきちんと話し、納得してもらう。
文章作成の採点も、おそらくこんな感じになるのだろうと思います。
それに気がつくと、いよいよ今回はダメ模様〜と肩を落としながら、嵐の街へ家路を急ぎました。
風が強まり、駅まで大学でタクシーを呼んでもらえばよかった、と後悔しましたが、帰りのバスは1時間20分に1本程度、留守番している猫たちの顔が浮かび、
一刻も早く家の暖炉にあたりたくて、傘をさしていられない風雨の中を歩き始めました。
初めて来た大学、帰り道のことは試験が終わってから考えようと、バスやトラムのことを何も調べていませんでした。
熱が出ているのにブーツは絞れるくらいにずぶ濡れ。
私、アンナ・パブロワのように雨の中を歩いて死んでしまうのだわ・・・
なんて、冗談ですがさすがに心細くなったり。
とにかく駅まで乗り物に乗らなきゃと思い、トラムの停留所の屋根の下に入りました。
停留所に券売機があり、もしかしたら乗車前しか買えないのかも?と思いましたが、そこへトラムが来て、そばにいた若い学生と思しき女性に「このトラムはSNCFの駅に行きますか?」と尋ね、飛び乗りました。
サバイバル精神だったと思います。
トラムが走り出したところで、その女性に、車内で乗車券を買えるかどうかを尋ねたら、彼女は首を横にふり・・・
すわ、罰金?!
以前、ウイーンで、一度帰宅してコートを着替えたために、ポケットに入れておいた乗車券を忘れてトラムに乗ってしまい、見事に1万円くらいの不正乗車の罰金を取られた記憶が瞬時にフラッシュバック。
「私、どーしよ〜」と呟いたら、彼女は私に自分の乗車券を差し出し、
「私はここで降りますから、どうぞ」と。
乗車券を見ると、VALABLE 1H 1時間有効 と書いてあります。
(*´Д`*) 〜з
自分の涙で暖まれそうなくらいの熱い涙が溢れて来ました。
SNCFの駅についた頃には嵐が過ぎ去り、空には虹がかかっていました。
バスにはタイミングよく乗れて、思いがけず早く家に着きました。
次回は試験結果の報告です。
Merci et à bientôt !
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