フランス語の不定冠詞と定冠詞、わかることもあるけどかすみがかかったようにナゾの世界よ。フランス語のあやふやさのひとつだわ。冠詞の使い方をどうやって覚えたらいいか教えて。
sommaire/目次
フランス語の不定冠詞、定冠詞とは?役割を話すね
Bonjour ! 胡桃です。フランス語の名詞にはいつもカンムリ=冠詞が伴います。
それらカンムリには後に続く名詞が何のことを表すのか?を知らせる大事な役割があります。
この記事では定冠詞、不定冠詞とは?についてわかりやすく、不定冠詞と定冠詞の使い分けについてわかりやすい例文でまとめました。
フランス語の冠詞とは?
フランス語の不定冠詞、定冠詞は、それぞれ男性名詞、女性名詞、複数形の名詞の区別があります。
どのように覚えて行くか?も大事ですが、重要なことは、名詞の冠詞を空白にしない=忘れないことです。
理由はただひとつ。冠詞がないと、名詞は意味が通じなくなり、フランス語の役割を果たせなくなってしまうのです。
冠詞なしでは意味が通じない、フランス語の真実
わかりやすい文で見てみましょう。
例えば、夏の暑い日、喉がカラカラ〜!お水を飲みたかったら(表現は一つではありません)
「水を飲みたい!」
“Je veux* boire de l’eau.”
ジュ ヴ ボワル ドゥ ロゥ
*注文するときなど、人に向けて言うときには、直説法のveux を使うのはやめておきましょう。理由は、子どもが「ちょうだい」と言っているようなのと、言葉遣いがキツすぎるからです。
このように、オレンジ色のカンムリをつけて初めてeauは水となりうるのです。
カンムリなしの eau だけでは水とは言えないのです。
l’eau とは?
- 名詞が母音で始まるときは、母音を重ねて書かずに、l’ と省略してその名詞を続けます。
- 発音されない h で始まる単語も同様に l’ と省略してその名詞を続けます。
省略せずに書いてしまうと? 発音がおかしなことになってきますね。この文法の決まりをエリジオンといいます。
le abricotl’abricot ラブリコle hôtell’hôtel ロテル
エリジオンの作り方
- le 「ル」, l’ +名詞の男性単数形
- la「ラ」, l’ +名詞の女性単数形
- les「レ」+ 名詞の複数形
フランス語の不定冠詞とは?
不定冠詞は3つ
- un +名詞の男性単数形
- une+名詞の女性単数形
- des +複数形
不定冠詞がなぜ必要なのか?不定冠詞の 役目をかんたんな文例で見ていきましょう。
「私は桃を(1個)買います」
J’achète une pêche.
ジャシェットゥ ユヌ ペッシュ
どんな桃をどこで買うのかも、何個買うのかも全く未定です。
une は1個とも言えるし(後述します)、漠然とした桃であるということを伝えることができるのです。
不定冠詞とは文字どおり、具体性がなく何か特定のものを指しているのではない、定まっていない名詞=不定の名詞につけるカンムリです。
不定カンムリをつけることによって、話す相手に次のように理解してもらえるのです
- この名詞(話題)はまだあなたが知らないことですよ
- 私が漠然と思っていること、ものですよ
- これから説明する事柄ですよ
日本語だったらいちいち言わなくても分かることを、フランス語ではいちいち言う必要があるのです。
理由は、話の展開を明確にして誤解を招かないためです。
日本語は都合の悪い名詞は言わずに煙に巻いちゃって「何のこと言ってんのよっ?」って思うことあるわよね
不定冠詞の役割1:なんでもない物という証
例えば会話や文章の中で、次のような意味を持たせる役割があります。
- 初めて登場した、初めて話題に上った名詞
- どこどこにある、どこどこのもの、などという条件がついたりしていない
- 誰かの持ち物でもない
つまり聞き手にとって何でもない物ですよ、ということを伝えることが出来るのです。
不定冠詞の役割2:数、数量を表す
「昨日(ある)メールがきたよ」
J’ai reçu un message hier.
ジェ れスュ アン メッサージュ イエ〜る
フランス語では message だけでは何のことかさっぱりわからん! なので、次のように表します。
- 「あるメール」または「1通」un message
- 何通もなら、des messages
un/une, 以降は deux, trois・・・と続けます。
不定冠詞の役割3:「〇〇というカテゴリーの物」を表す
「エッフェル塔は巨大な塔の一つです」
La tour Eiffel est une tour immense.
ラ トゥア エフェル エ ユヌ トゥ〜る ‿ リモンス(発音はリエゾンします)
というとき、
une は「世界に幾つもある巨大な塔」というカテゴリーのひとつであることを表すことができるのです。
エッフェル塔は 世界に一つしかないものなので la で表します(後述で詳しく)。
フランス語の定冠詞とは?
定冠詞は3つ
- le +名詞の男性単数形
- la+名詞の女性単数形
- les +複数形
定冠詞がなぜ必要なのか?定冠詞の 役目をかんたんな文例で見ていきましょう。
「さっき買ってきた桃を食べるわ」
Je mange la pêche.
ジュ マンジュ ラ ペッシュ
不定冠詞が「何でもないもの」を示すカンムリだったことに対して、定冠詞は次のような名詞につくカンムリ、文の中で名詞の意味を明瞭にするために働きます。
定冠詞の役割1:会話や文章の中で、すでに話題に取り上げられる名詞につく。
最初に出てきたときには un /une:不定冠詞がついていた名詞が、
2度目以降 その名詞を話題にするときには le / la / les:定冠詞に変わります。
不定冠詞で上げた例文で見て見ましょう
J’ai reçu un message hier.
最初は 昨日受け取った un message だったものを、再び話題にするときは le message に変わるのです。
定冠詞の役割2:あのお店の。など、いわくや特定があるもの
- le sac LongChamps:
ロンシャンのバック - le français:フランス語
- le japonais:日本語
など
定冠詞の役割3:世界に一つしかないもの
- le soleil :太陽
- la lune :月
- la terre :地球
- la France :フランス
- le Japon :日本
など
定冠詞の役割4:そのものに対する一般的な概念を表す
- l’homme (=les hommes)
男性/ 人間 というもの というカテゴリー
- la femme (= les femmes)
女性というもの、「女性」というカテゴリー
- “Est-ce que tu aimes le fromage ?”
エスク テュ エム ル フロマージュ?
「チーズは好きですか?」
特にチーズの種類を上げているのではなく、チーズ全般が好きかどうかを尋ねるとき、カテゴリーを意味する定冠詞 le を使います。
カテゴリーの例
- la musique :音楽全般
- le sport :スポーツ全般
- le cinéma :映画全般
冠詞って実はすっごく便利で物事をわかりやすく説明できるものなんだわ。冠詞と仲良くなれそうよ!
不定冠詞と定冠詞の使い分け方
不定冠詞と定冠詞の役割に続いて、実際の使い方を簡単な会話文で見ていきましょう。
今日のレッスンは疲れたわ。J’aimerais manger une pêche…桃が食べたいな
この時点でリラ子が思い描いている桃は une pêche 、不定冠詞をつけます。複数だったら des pêches。
じゃあマルシェに買いに行こうか
二人はマルシェへ買い物に出かけました。
マルシェに到着、リラ子はお店の男性に
Bonjour monsieur. Je vais prendre quatre pêches, s’il vous plaît.
こんにちは。桃を4個くださいな
数を具体的に言わない場合は 山積みの桃の中の何個か=des pêches をくださいと言い、「何個ですか?」と聞かれます。
山積みの中の1個を買うのなら、 une pêche、数を表します。
二人は桃を数個買って、家に帰りました。
いい匂いの桃ね、冷蔵庫に入れておくね
買い物したときに des :不定冠詞だった4個の桃は、「買ってきた」という「特定の」桃なので、ここからは les pêches と変わります。
そして2時間後。
桃、そろそろ冷えた頃かな?
そうね、じゃあ桃をむくわね
ここで、4個か買ったうちの1個を食べるのなら la または une(1という数としてのune) pêche です。
2個食べるのだったら、deux pêches。
もっと何個か食べるのだったら具体的な個数か、des pêches
買ってきた桃を全部を食べるのなら、les pêches となります。
*フランスの桃は日本の桃のように大きくありませんので1度に2つくらい食べてもおかしくないです。
桃って疲れてるときには最高ね
このフレーズの「桃」の冠詞は?
もうお分かりですね。
「桃という物」についての一般的な概念を表す la pêche ですww
フランス語の不冠詞と冠詞まとめ
フランス語の不定冠詞と定冠詞の使い分け、ひと言で言ってしまえば、「ある〇〇」が「その〇〇」に変わることです。
そして
もっとも重要なことは
「冠詞を入れ忘れない」
これに尽きます。
日本語にはない言葉の習慣、フランス語の文法云々の前の問題ともいえますし、頭の中でわかりきっていることをいちいち「書かない、言わない」のが美しい日本語。
しかし冠詞がないとフランス語ではなくなっちゃう(・□・;)
フランス語を書いたら「忘れ物はないか?」念入りにチェックするといいですね←私も自分に言い聞かせています!
次回は部分冠詞に続きます。
お楽しみに!
Merci et à bientôt !
Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/kurumi2536/nemurerumorifrancego.com/public_html/wp-content/themes/angel_tcd047/functions.php on line 730
こんばんは、初めまして。
フランス語の冠詞がよく解らなくて、あちこち探してたらここにたどり着きました。
まだイマイチよく解ってませんが、いろいろと勉強させて頂きます。