星の王子さまを読み返す、初めて読むならオススメの一冊とは?

   

星の王子さまを読み返す、初めて読むならオススメの一冊。

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眠れる森のフランス語

星の王子さま、夏休みの課題読書だったけど、わけわからなくてつまらない本なんだと思った記憶だけ。 星の王子さまは大人になったからこそ堪能できるんだ!ざぶざぶ泣けるよ、と聞くので今こそ読んでみようと思うの。 おすすめはどの翻訳?

眠れる森のフランス語胡桃

Bonjour ! 胡桃です。星の王子さまが大好きでフランス語を始めたという場合、フランス語の原文を早く読んでみたいと思っていることでしょう。 でも、原文を読む前に、日本語の翻訳本を 「もう一度読み直したい」 「大人になった今だからこそ初めて読んでみたい」 「原作を読む助けになるような1冊が欲しい」 と思ったら、どの王子さまを選ぼうかな?

数ある翻訳の中から選ぶのは迷ってしまいますね。

フランス語の上達にもきっと役立つ、読み返すたびに発見が尽きない深い蒼い湖のような一冊を選ぶなら?

この記事ではあなたが次の例に当てはまったら、ある1冊をご紹介したいと思います。

  • 子どもの頃に読んだけど、内容をよく覚えていない人
  • ストーリの展開がピンとこなくて読むのをやめた人
  • 大人になった今、読んでみたいけど、どの翻訳で読んだらいいかわからない人

実は私も10代の頃に、世界の名作として読んでおかねば、と手にとったものの、到底読みやすい翻訳とは思えなくて途中で読むのをやめちゃった口でした。

子どもが読める物語のはずなのに、なぜ投げ出してしまう人が多いのでしょう?

星の王子さまが読みにくい?翻訳の過去

「星の王子さま」は2005年までは、日本では岩波書店が長らく作品の翻訳権を所有していたため、岩波文庫から出版されていた、唯一の星の王子さましか日本の書店になかったという歴史があります。

2005年1月に岩波書店の翻訳出版権が消失したので、その後新訳が多く出版された。という経緯があります。
:出典:ウィキペディア

私もその後の新訳のおかげで、数ある翻訳の中からついに感動の1冊に出会えたわけです。

幸運でした。文学の幸に預かって、人生の幸運でした。本当に。

大人が星の王子さまを選ぶなら、どの翻訳が読みやすい?

星の王子さまおすすめ
星の王子さまも、翻訳者の人生経験が物を言う

特に星の王子さまを買いに行ったのでもなかったある日、
書店でフランス語の学習本に混じってこの王子さまが並んでいるのが目に留まりました。

手に取って開いてみると、数行読んだだけでもリズミカルな文章であることが感じられて読み進み、胸が高鳴りました。

私にとっては運命の瞬間と言ってもいいくらいの出会い(゜o゜)

当時の私は交通事故の大怪我の後遺症で日常生活も思うように立ち行かない時が多く、この痛みを背負ったままどうやって生きていったらいいのか?という気持ちで、この本もベッドの上で夢中で読んだのですが

フレーズが胸を揺さぶります…(〃´-`〃)…

私は心に響いた文章を、線を引きながら文字を追います。

ペンが太かろうが線が曲がっていようがおかまいなしで、「私の心の琴線」をマークしておかずにはいられませんでした。

このように心と本が一体になるような感触は、そうそう経験できることではありません。

作家の意図することと文章のリズムが揃わないと、いいことが書いてあっても、なんとなく読みにくかったり、文の調子がよくても中身がイマイチだったりすることが往々にしてあるものです。

「星の王子さま」は、ましてや不朽の名作と言われる文芸作品の一つです。

読み始めた私は言葉の世界にどんどん引き込まれて行き、涙が溢れてくるのです。

言葉があまりに心に響くので、どんな方が訳したのか?については
読み終えるまで知らないでおこうと決めました。

 

フランス語朗読付き「星の王子さま」は、どんな本?

フラン私がおすすめしたい星の王子さまには次のような特徴があります。

  • リズミカルで読みやすい日本語
  • フランス語朗読音声のCD付き
  • 朗読は、抜粋約20分を収録
  • 朗読しているのは、俳優のステファヌ・ファッコ(Stéphane Facco) さんの美声
  • うっとりと心地よいフランス語で聞くことができる
  • 朗読のフランス語の文章も掲載されている

文学とは? それはね、繊細な音楽のような・・・

この本は、コントラバス奏者である音楽家の、河原泰則さんの手で翻訳されたものです。

なるほど、自然な呼吸をするように、文章が心地よいわけですww

河原さんは、手の怪我で演奏ができなくなるかもしれないという演奏家としての窮地に落ち入った時に、この星の王子さまの翻訳に取り掛かったそうなのです。

おそらくサン=テグジュペリが描こうとしていた「死と背中合わせ」という情景がハラハラと切なく伝わってくるのは、
翻訳者の心模様も大いに関係していると想像できます。

現在出版されている翻訳はどれも甲乙つけがたい良さがあるものの、
「物語」として、自然な日本語のリズムがあって、この本ほど一つの物語として星の王子さまの世界に運ばれるように引き込まれて読む進めていける本は、存在が不思議なくらいです。

読みやすさについては、実際、友達に貸すと「もう読んじゃったの?」
っていうタイミングで、1週間くらいで返ってくるんです。

毎日忙しくて本を読む時間なんてないんじゃないかなあ、と思う人からも

「読みやすくてビックリよ、星の王子さまがどんな物語なのかよ〜くわかったわ。良い本を教えてくれてありがとう」

って、お手紙付きで返ってきたりします。

星の王子さま おすすめ

小さな星の王子さま

河原泰則訳/朗読(一部)CD付き星の王子さま

物語の展開を支えるのはしなやかな日本語

星の王子さまの訳し方についてはしばしば、ある一文だけを取り上げて
比べられたりしますが、物語全体の言葉の展開が心に響くかどうかも大事なことですよね。

ご紹介した本の文章の一部を見ると
「日本語として今時すぎるかな?」と思う箇所もあるものの、(レビューではそこを避難する人もおられるようですが)
私は無粋なアラ探しより、河原さん曰く「虹をかけるような」
しなやかでドラマチックな展開に軍配を上げたいと思います。

フランス語を日本と一致させる限界

私は、人生で辛い思いを沢山経験した大人こそ読むのにふさわしい繊細な翻訳と思い、あなたにもお勧めする次第です。

翻訳はことごとくフランス語の原文に即しているか、そのような日本語で書かれているか? が問われますが、物語の「根っこ」「ほんとう」が響いてこない日本語だった場合、ストーリーを追うだけの読み物でしかなくなってしまいます。

河原氏は翻訳当時、ケルン在住の音楽家でいらして、日本語云々というよりも日欧両方の言語と文化とその相違を知っている人が書いた熱い思いが伝わってきます。

どんなに原文に忠実でも、日本語に直した途端に面白味のない読み物になってしまっては残念ですよね。

星の王子さまは、2、3冊読み比べた方がいい理由

星の王子さまの物語を知るには、やはり2、3冊読み比べてみるのがいちばんでしょう。同じ文章でも翻訳者によってこんなにニュアンスが違う! まるで別の意味になってしまう! ということがわかります。

どの翻訳を読んでも、仮に良さがわからなかったとしても、そこで星の王子さまを諦めずにもう1冊読んでみることをおすすめします。

最近では「あん」でおなじみのドリアン・助川さん翻訳も人気です。

〈訳者より、読者のみなさまへ〉

原文には忠実に、しかしまったく新しい冒険心をもって『星の王子さま』を全訳しました。
サン=テグジュペリ生誕の地リヨンや、彼が撃墜されたマルセイユ沖の海を訪れた旅の記録。
また、母に宛てた最後の手紙の全訳など、訳者あとがきも大充実です。
ぜひ、ご覧になって下さい。 ――ドリアン助川

フランス語原文に興味のある方には対訳本もおすすめ

星の王子さま翻訳

朗読CD フランス語で聴こう「星の王子さま」 単行本 – 2006/10/5
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ (著), ベルナール ジロドー (ナレーション)

対訳フランス語で読もう「星の王子さま」 朗読CDセット版 単行本 – 2009/5/1
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ (著), ベルナール ジロドー (ナレーション), 小島 俊明 (翻訳)

読み比べてみることでる私たちも物語のエッセンスの理解が深まり、フランス語習得のモチベーション、はたまた星の王子さま研究がライフワークのひとつにさえなりえます。

私たちの胸にこのように心に大きな引き出しができると、フランス語の原作を読めるようになりたいと思うのもすごく自然な流れ、大人の語学学習こそ、このようなフツフツと湧き上がる気持ちの延長である強みではないでしょうか?

星の王子さまを大人が読むなら おわりに

星の王子さまおすすめ

星の王子さまの内容がよくわからないと感じるのは、決して翻訳のせいばかりではなく、ネイティブからもよく聞くことなんです。

〈児童書なのに、子どものときに読んだけどまるで分からなかった〉

内容からしたら、星の王子さまを読み解くには人生経験、読書経験、恋愛経験が必要な物語。そしてサン=テグジュペリは〈子どもだった頃のレオン・ヴェルトに捧げる〉として、子どもの心を忘れてしまった大人へ瑞々しい心を思い起こさせようとしています。

そして、物語が書かれたのは第2次世界大戦下。大人になってから読むのは正解ですね。大切なものは目に見えない、という名言も、言葉を追って知った気になるのと、私たちの人生経験と響き合うのとでは雲泥の差があるでしょう。

大人の恋愛の世界、生死感を王子さまという子どもではない少年に語らせたサン=テグジュペリさん、まさに大人が読みたい物語ですね。

眠れる森のフランス語胡桃
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Merci et à bientôt !
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