フランス語の筆記体、自分で書いてみて様子がわかってきたわ。今度パリに行ったらメニューの看板を見るのがすごく楽しみ! 実際の手書きの看板はどんなかな?
Bonjour ! 胡桃です。フランス語の筆記体の基本を知っておくと、黒板の手書きの文字はラクに読めるようになります。
フランス語のアルファベの書き方に続いて、具体的に本物の黒板に書かれた文字を読んでみましょう!
上の画像の読み方は、記事の最後に記してあります。
この記事は2017年6月18日投稿のリニューアル版です。
フランス人の手書きの文字の特徴とは?
- 学校で書いていた英語と違う書き方の文字がある
f, j, l, p, q, z
- 注意したい S、英語の筆記体のエスを思い出そう
- 大文字は特に、英語に共通のカリグラフィーの文字で書かれていることがあ
特に E, G, I, J, Q, T
- 数字の特徴
1にカギがつき
7に横線がつき
9は 英小文字のg に似ている
*手書き文字は人によるので、フランス人といえど棒だけの1もあるし、普通のブロック体のSもあります。Gはほぼ一般的に、Gです。
フランスのカフェの朝食のメニューを読んでみよう
それでは、この特徴を元に、実際の黒板の手書き文字を読んでみましょう。
パリの街の様子はネット上に溢れていますので、私の普段の散歩道の黒板をご紹介しますね。
メニューやお店のオススメなどが書かれている黒板をフランス語で
une ardoise アルドワーズ
スレート=薄い板 という意味です。
ご紹介する黒板はノルマンディだけに店舗を持つ、クラッシックなサロン・ド・テ『DUPONT デュポン』のものです。
その朝食のメニューを見ていきたいと思います。
季節のいい時にフランスを旅したら、テラスでゆっくり朝食をいただくひとときを楽しむのもいいですね。
文字のデコレーションはくるくるとフランス語のクラッシックな書き方ですが、Sが凝ってますね。
何が書いてあるんだか@@@さっぱりわからん??
あ!よく見ると、ちょっと練習した手書きの筆記体そのものだわ。練習前じゃとても読めなかったと思うな
では書いてあることを上から順に見ていきましょう。
Complet
コンプレ
朝食セット
Fromage blanc
フロマージュ ブラン
チーズではなくヨーグルトのこと
Brochette de viennoiseries
ブロシェット ドゥ ヴィエノワゼリ
串刺しの甘いパン
Ficelle de tradition, confiture
フィセル ドゥ トラディション、コンフィチュール
小さいフランスパン, ジャム
et Beurre d’Isigny
エ ブール ディスィニィ
ノルマンディのイスィニィ特産のバター
Jus d’orange frais pressé
ジュ ドロンジュ フレ プレッセ
搾りたてのオレンジジュース
Café, thé
キャフェ、テ
コーヒー、紅茶
ou chocolat aux choix,
ウ ショコラ オ ショワ
または、ショコラ(ココア)
Existe également en Super complet
エグジストゥ エガルモン オン シュペール コンプレ
素敵な朝食ですよ
Brochette de viennoiseries
ブロシェット ドゥ ヴィエノワゼリ
えっ?ブロシェットって、朝からバーベキューでも出てくるのかえ?
となりそうですが、説明しますと
- ヴィエノワゼリ とは? ペストリー生地で焼いた、いわゆる菓子パンのこと。ウイーン伝来の甘いパン、という意味があります。
- ブロシェット とは? 竹串、焼き串のこと
つまり、パン・レザンやパン・ショコラ(パン・オのオは省略されて使われることが多い)が、バーベキューのように串刺しに仕立てられているわけです。
パンはもちろん小ぶりですが、バーベキューか日本の焼き鳥スタイルか?を取り入れていて、思わず笑っちゃう例です。
気になるお値段は?
左が室内/右がテラス席のプライスです。
- 12歳までの子どもメニュー 9.5€/10.50€
- 黒板のメニュー 16.9€/18.70€
- プラス卵とフルーツ 21.90€/24.20€
f の書き方に注目してメニューを読んでみよう
Moules frites
ムール フリットゥ
*ムール貝のワイン蒸しとフライドポテト*
・ marinière 15€80
マリニエール
普通のワイン蒸し
・normande 17€80
ノルマンドゥ
普通のワイン蒸しに生クリーム入り
Poissons frais
ポワソン フレ
他にも新鮮な魚介がありますという意味です。
このエフは特徴がありますね。
くどいですが、書いて見ればスイスイ読めるんです
一度読めると、今までなんで読めなかったのか不思議なくらい。聞き取りと同じ感触ね
パリ16区で生牡蠣を食べたときのこと
この写真は、私がパリの16区という地区にふんわりと憧れていた頃、パリへ3度目の旅で、その16区で、フランスで初めて生牡蠣をいただいたお店です。
お店の名前は木に隠れて見えない字があるものの、La Mouette =カモメ と書かれていることがわかります。
カモメはブルターニュやノルマンディを象徴する存在でもあり、フランスの海の幸を示しています。もちろん、当時の私はそんなこと知るよしもありませんでしたが。。。
16区のマルモッタン・モネ美術館を後に、高級住宅地の美しい建物の景観の中を歩いていると、この店の前を通りかかり、ワクワクしながら店内に入りました。
そして嬉々として注文したのは
食べたいものに行き合えてそれは嬉しかったですが、さらに、(写真には写っていません)赤い液体が入った小さなボールが添えられているのに目が釘付けになりました。
「何だろう?」
赤い液体の中には玉ねぎのみじん切りのようなものが入っています。
塩と胡椒も置かれているので、これははもしかしたら
子どものときにディズニーの不思議の国のアリスで知った
牡蠣を塩と胡椒とお酢でいただく食べ方なのかもしれない
と思い、
殻を手に取り、それをスプーンですくってそおっとかけて、牡蠣を口に入れると・・・
ああ、生牡蠣ってこうやっていただくものなんだわ。なんて美味しいんだろう
と感動して、お店のムッシューにこの美味しい赤いヴィネガーは何なのかと尋ねました。
するとムッシューは満足そうに笑いながら
「日本人は牡蠣をレモンでしか食べないのに、あなたは珍しい日本人だね」というようなことを言いながら、作り方を教えてくれました。
これが、そのときムッシューが書いてくださったものです。10年以上前の思い出のデッサンです。
赤ワインビネガーにみじん切りのエシャロットと胡椒を2回振るだけなんですが、当時は赤ワインビネガーをとても珍しく感じました。
そして、
この EchAlotte という文字に注目してください!
手書きの字は人それぞれとはいえ、フランス語の書き方の基本からはやはり外れていないということがわかりますね!
これは私の街での写真ですが、エシャロットのみじん切りが見えるでしょう?ww
長年英語を書いてきた私たちの字の習慣はなかなか抜けないものですが、フランス語の字体を意識して書くことで、フランス人の手書きの文字もグッと身近になります。
ちょっと気をつけるうちにフランス語の手書き文字がクセ!になりますので、ぜひ楽しみながら書いてみてくださいねww
フランス語の午後のお茶のメニューも、難しくないね
それでは最後に、この記事のトップの画像の黒板を読んでみましょう。
お店は同じくDUPONT の、午後のお茶バージョンです。
午後のティータイムがなぜ4時?
フランスのティータイムは4時が習慣なんです。4時頃はカフェもサロン・ド・テも人々が押し寄せます
4h de Proust
*プルーストの4時* フランス語では4時を4hと表します。
Dupont avec un thé
デュポン アヴェッキャン テ
1 Chocolat chaud au choix
ショコラ ショー オ ショワ
あったかいショコラの選択
Brésilien 50 % de cacao
ブラジリアン カカオ
Caraibe 70 % de cacao
カリブ カカオ
Equatorial 70 % et gout café
エクアトリアル エ グ キャフェ
赤道地方の カカオ、コーヒー風味
ou ウ または
1 Thé au choix
テ オ ショワ
一杯の紅茶の選択
2 Madeleines
マドレーヌ 2個
Salle 9.10€ -Terrasse 10.10€
サレ 室内 ーテラス席
つまりメニューは、〈失われた時を求めて〉にちなんで、午後4時からお茶とマドレーヌ2個セットのメニューがありますよ、ということです。
有名なショコラティエの店とあって、ショコラにもひと方ならぬこだわりが感じられますね。
観光客も多いこのお店、料金だけはフランスの書き方ではなく、どの国の人にもバッチリ読めるように、ブロック体 (つ゚o゚⊂) これぞ明朗会計ですね笑
私も試しにマドレーヌとショコラをいただいてみました。マドレーヌはしっとりと、ショコラはすごくレトロな、ミルクが濃厚な味わいでした。
マドレーヌ自体バターたっぷりなので、ショコラでは重すぎ〜、やはり紅茶でないとプルーストから苦情が来そうでした(*^-^)
Merci et à bientôt !
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