Bonjour ! 胡桃です。フランスの夏のバカンス中、私の街のマルシェですごい高価な品物が売られていました。臨時出店しているお店で掘り出し物に出会うことは珍しくありませんが、今回はスペシャル! 目に栄養、頭に勉強になりましたので、その一コマをお話したいと思います。
バカンス中はマルシェも様変わり。高級品がずらり
2020年の夏は、フランスの人は国内旅行、一方で他国からも観光客が大挙して押し寄せたすごいバカンスでした。
マルシェも見物客でごったがえし、川に沿って縦長に広がる私の街のマルシェは毎回大晦日のアメ横のようでした。
しかしながら、パリジャンやフランス各地の別荘族向けに家具調度品の店も華やかに?出店していて、住人にとっても、それは見応えのあるマルシェでした。
その中に1件、見事な敷物を数多く陳列している店がありました。
大きなものからペット用?のような小さなものまであり、マルシェに行く度にその前を通るのが楽しみで、美術工芸品の青空美術展さながらの景観を遠巻きに見ていました。
目が釘付け!それはオリエントの香りの敷物
バカンスもあと2週間となった日、私は思わず足を止めてしまいました。
まず、シルクの光沢をゆらゆらと放つ水色の絨毯。
そして次に目が釘付けになったのが、こちら
狩の絵柄が織られて、やはりシルクの光沢が目を引きます。
画像は立てかけられていたものを遠くから撮影して、絵柄が逆さまだったものを反転させたのでちょっとヘンな感じですが、馬の絵の下にあるのが先ほどの水色です。
息を呑むほどの美しさ。ただただ立ち尽くしてしまいます。
そこへお店のムッシューが現れ、この見事な絨毯の説明をしてくれます。
ロイヤルシャッスという絵柄、シルク混、チュニジア産だそう。
そして私に「絨毯の上を歩いてみて」とおっしゃり。。
歯医者では靴の裏も要消毒だったけどな。
(o・ω・o)…
動かない私にムッシュは「さあさ、どうぞ上がって」と言ってくださる。
ムッシューは話しながらどんどんマスクが近づいてくるので、思わず後ずさりしてしまった。こちらの人は興が乗ってくるとホント顔が近くなるとあらためて思う。
普段はパリの店舗で販売をしていて、この日までマルシェに出店ということで、今日が最終日だと繰り返します。
そしていよいよお値段の話。
ムッシューは「今日は最終日だから半額です。パリへ戻ったらこの値段になります」
と言いつつ見せてくれたプライスカードには定価6500ユーロと書かれていました。大きさは、幅は失念してしまったけれど長さ180cm。
私の収入が気になるらしい
私は最初から買いたい気持ちも全くなかったので、積極的に話をしていたのではありませんが、ムッシューは唐突に私の住居の状況を尋ねてきます。
「レジデンスですか?戸建ですか?」
(´゜д゜`)?
絨毯を年に1度、庭に干す必要があるそうで、その場所が必要なんだそう。
そんなこと、日本なら白◯舎があるから何の心配もないのに、と思った笑
私も到底買える代物ではないので早く切り上げなければと思っていると、
「お仕事は何を?」ですって。
。。。
そこへ女性の三人連れが通りかかり、ようやく帰るタイミングがきた。
6500ユーロといえば今のレートで80数万円。半額でも40数万円。この絨毯がお店の最高値ではありませんが、定価が100万円くらいの品物がマルシェで売られているなんてビックリ。
買う人は買うでしょう。フランスの富豪の、住居にかけるお金の使い方のすごさは私も見聞きしてきたから想像がつきます。
私のご近所さんなんてね、別荘としてお城のような邸宅と土地を買って庭も大改装して、さらに、隣に誰にも住んで欲しくないからって隣の土地まで買ったそうなの。
ま、何れにしてもこの街にいるととんでもない良い品物を見る機会もあって、羽振りのいい話も多くて悪くない。
なまりのないフランス語はやっぱり聴きやすい
先のパリのムッシュー、露骨な人の値踏みにはがっかりしたけど(ヨーロッパでは珍しくないかな、という感じもある)、話を聞いていて、何て聴きやすいフランス語だろう、と思いました。反面、私の地域の住民の多くはやっぱり、かなりのアクセントがある。
私のフランス語の先生は珍しいほど全くなまりがないけれど、どの人もどの人もこの地方独特のアクセントでつっけんどんな話し方。私が聞き取れなくて苦労するのも無理はないとつくづく思いました。
9月、きょうマルシェに行ったら、この絨毯やさんはこのマルシェで売り場を継続する様子。件のムッシューも狩の絨毯もなくこじんまりしていたけれど。
しかし別の狩の絵柄をまた見つけました。今度はロマンチックなブルーの絨毯
家の近くには野うさぎもいるし、銃声の音を聞くのはたまらないけれど、こうやって生き延びてきたおかげで今日があるのだ、と思うと人類の歴史に感謝の気持ちでいっぱいになります。
絨毯にこんなに狩のモチーフが好まれることを知ったり、素晴らしいアート目の当たりにして、街のマルシェはなかなかに勉強の場、有難いものですね。
Merci et à bientôt !
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