Bonjour ! 胡桃です。大人になってからの語学の楽しみは、学生ではないから強制されることも試験もないのでストレスなく楽しく続けていけることでもありますね。
私も当初は検定なんて漢字を冷ややかに見ていました。
けれどもフランスに住む今となっては、ディプロムの紙一枚で事がスムーズに運ぶことも。
DELFをとっておくと、フランスでどんなメリットがあるか? 私が経験したことをお伝えしたいと思います。
2018年1月25日投稿の再投稿です。
細々とでもフランス語の勉強を続けるうちに、
旅の間だけだけどフランス語を使っているし、自分の力を知りたい、と純粋に思うようになりました。
当時はスクールで個人レッスンを受けていましたので、ネイティヴ教師に相談すると “人間らしいフランス語の試験” と日本語でおっしゃり、私もそれなら!と、DELFを目指すことになりました。
実用的で個人の日常も経験もフル動員する、大人としてはすごく取り組み甲斐のある試験です。
フランスでDELF A がモノをいう第一関門
フランスの移民になると、最低限のフランス語能力をつけるために無料のフランス語講座を受けさせられます。
受講の時間は場所により違いがあるようですが、初歩の初歩からスタートする人で、概ね200時間。
講座で目指すレベルは 2015年は 私の地域ではDILF (DELFA1より易しい)でした。
私も受講開始の日が来ました。
まずレベルチェックのテストがあり、その後、1週間のコースのスケジュール表を見ると、1週間で20時間くらいののコースを受けられるようになっています。
毎日出席すれば、最短で2か月半で終了です。
でも、私は家が遠いことと、家での仕事もあり、週1回、それも午後だけ行くのが精一杯です。
私は担当教師に
「私は何時間受講すればいいんでしょうか?」
先生「皆、大体200時間だけど、それ以上〇〇時間(何百時間だったか失念、すみません)まで受けられます」
とにかく時間をこなさなきゃならないんだわ。えらいこっちゃ。。。
フランスに来て交通が便利な街に住んでいるか、余程時間があるなら通うことも出来るでしょう。私よりさらに遠くからバスで通っている人もいました。
帰りも、本数が少ないバスを待つので、本当に1日がかりで通っているわけす。
移民局のフランス語講座はためになるか?
担当の女性教師は、私にとって初めてのフランスの国語の先生でした。
私が日本で習っていた代々のネイティヴ教師たちは教えるプロフェッショナルではありませんでした。
発音も声も話し方も美しくて、ぽーっと見とれてしまって、お話を何も聞いていないことも(^◇^;)
バレエの先生に見とれてしまうのと同じね。見とれている時ってシアワセな気持ちよね
レッスンの内容は日本で勉強したことばかりでしたが、出席すればやはり学びは多く、フランスに来て初めて知ることもありました。
特に、フランスの国のことは、このような場所でなければなかなか学べないので、確かに有意義な時間ではありました。
初歩から勉強したい人にとっては素晴らしい機会だと思います。
私はそのうちに旧ソ連の内陸国、中央アジアから来ている若い女性と仲良くなりました。
私たちのフランス語のレベルは同じくらい、互いに「私の言うことわかる?」と言い合いながら一緒に歩く帰り道は楽しいものでした。
彼女もDELFを目指していて、私は自分の問題集を彼女に上げました。
彼女も、「先生は素晴らしい方だけど、レッスンの内容が易しすぎるわね」と、私と同じ気持ちです。
他の移民たちは、本当によく喋ります。
みんなレベル高いんだな〜、すごいな〜と私も最初は思いました。
が、ある日、
先生が私たちにテキストを読ませた時に、クラスいちのお喋り男性が
「ジュ スイス・・・」
(´゜д゜`)
先生「 Je suis 」
あろうことか、彼は再び
「ジュ スイス・・・」
(´゜д゜`)?
先生「Je suis」
読んだり書いたりは、おとなしい移民の方が得意なようです(笑)
DELFを受けていたから受講は義務ではなかった
2か月ほど通ったあたりでノエル休暇に入り、私は年が明けたら通いきれなくて、受講を続けるのは無理そう、と先生に言ってみようと考えていました。
新年の最初のレッスンの日に、友人の彼女からスイスに引っ越すことになったと打ち明けられました。
せっかく友達ができたのに。
でも、私も、このまま通うことは無理。
休憩時間、先生に話してみることに。
私「家から近ければもっと通いたいんですが、私の家からは本当に通いきれません」
先生「そおね、あなたの街は週末に遊びに行く所だから・・・」
私「コースをやめてもいいでしょうか?」
先生「あら、あなたは強制ではないわよ」
(*’д’*)
先生「DELF A2のディプロムもあるし」
先生が一人でわかっていることは
DELFのディプロムがあれば、受講は強制ではない
私が何時間受ければいいんですか?と尋ねた時も、私には強制ではないことを前提としていらしたから、
移民は大体200時間の受講だけど、勉強を続けたいのなら、〇〇時間まで受講できる
と仰ったのだと瞬時に理解しました。
あ〜もう!!!
何はともあれ、とにかく解放されるのだ。DELFのおかげだわっ
強制ではないと先生が言っても、それを証明するものを残しておかないとととっさに思い、一筆書いていただくことにしました。
先生は「そんなもの必要ないわよ」とかなりめんどくさそうにしていますが、ひたすらにお願いして書いていただき、私のために講座の休憩時間が20分にも延びてしまいました。
若い友人とも、今日でお別れです(p_q、)
DELF A がモノをいう第二関門
この後、滞在許可証の申請 のたびに、この時の先生の一筆とそのコピーと A2 のディプロムを提出しています。
《然るべき証明書(DELFのディプロム)をもって、受講を免除とする》
という内容です。
(A1の場合は、経験していないので何とも言えませんが、受講時のレベルチェックテストにもよるかと思われます)
まあ!危ない。命拾いね。先生も移民の事情はよくご存知ないのね。
DELF A2 を取るメリット
お話ししましたように、フランス生活の最初の一歩となる証明書です。
また、試験勉強の内容的にも、合否は別として、フランス語の経験とフランス生活の知識や経験が問われるので、試験勉強をすることで、フランス語の経験値がググッと上がって行くのです。
実際に、事前のテキストも本番も、日本語は一切ありませんので、試験勉強をすることで、フランス語で自由度を広げる実感が湧いてきます。
DELF B1を取るメリット
その後のフランス語学習の大きな弾みとなります。DELFはフランス社会経験を問われる試験ですので、受験した日の合格点は何点であっても合格は合格と思います。理由は、試験の後に社会生活のフランス語がついてくる実感があり、受験準備をしたおかげでその後のフランス語の素地が出来た、と言えるからです。
あとは、特にメリットとはいえないかも知れませんが、フランス国籍取得に必要なディプロムです。
国籍に関しては、フジタ画伯のように身も心もフランスに捧げるのなら、何としてもフランス国籍が欲しいかと想像しますが、現時点(2020年10月)では、日本は二重国籍を認めていませんので、フランス国籍になる、というより、日本国籍を失うメリットはないのではないかと個人的には思います。
日本とフランスの試験の違い
日本でのDELF受験料はフランスより安い!です(゜o゜)
私がB1の失敗をことさらに恐れたのも、受験料のこともあったかも(∀`*) 費用の設定は各試験会場に委ねられているようで、フランスでも場所によって費用はそれぞれ、パリは最高値でしょう。
フランスでの受験は、難易度は変わらないけれど採点がシビア。
移民局のフランス語講座は、地域によってDELF A の受験講座を設けているところもあるようですが、日本で出来ることは出来るときにしておくことをオススメします。
Merci et à bientôt !
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