フランス語で何かをお願いするとき、「・・・していただけますか?」ってどんな風に言えば失礼がなくて丁寧なのかしら?
Bonjour ! 胡桃です。欧米の依頼表現でとにかく気をつけたいことが「誤解を招かないこと」です。日本の学習本では命令表現と依頼表現を混同している用例も見かけますので、フランス語の依頼表現と命令の違いをまとめました。
日本では人に何かを依頼するとき、トゲが立たないように相手に察してもらう気持ちが先立つもので、やんわりとした表現が好まれますね。
日本の学習本や会話本の中で、時としてフランス語本来の意味と、日本風に区別されるニュアンスが依頼なのか命令してるのか?曖昧な用例が見られます。
依頼表現に限ったことではありませんが、相手との関係性やことの流れの中で使われている表現を、私たちが安易に使うべきではない場合がしばしばあります
(゚Д゚;)
私もフランスに来て実際に、日本の学習本や映画で覚えたことを「これでいいんだ〜」と信じて使っていて、それがとんでもない間違いだったことをかなりイタい思いをして知り、学び直した経緯がありました。
フランス語で知らないうちに命令しているかも?
何かをお願いするとき、私たちは「・・・していただけますか?」と尋ねますよね。
フランス語でも、大人として礼を欠くことのないように、丁寧にお願いする表現を使いたいもの。
丁寧な依頼表現をフランス語でどのように用いればよいか、例文として機内などで「お水をいただけますか?」とお願いする表現を見てみましょう。
次のような単語を用います。
- 「私に=me (moi),
- お水を(一杯)=un verre d’eau
- 持って来て=apporter,
さて、あなただったら次のどの文を使いますか? または、使って問題ないと思いますか?
- Apportez-moi un verre d’eau, s’ il vous plaît ?
- Voulez-vous m’ apporter un verre d’eau ?
- Pouvez-vous m’ apporter un verre d’eau ?
- Pourriez-vous m’ apporter un verre d’eau ?
学習本の中では4パターン全部出てきているので、おそらく全ての表現を見たことがあるかも知れません。
また、 1 の Apportez-moi ・・・ は、簡単に使える依頼表現として見かけますが さて、大人の依頼表現としてどうなのよ??
4つ全部が依頼表現ではないよ。その違いとは?
日本語に訳した時に明確に区別することは難しいですが、4つの表現を丁寧さのランクで使い分けるのではなく、意図することが違うのです。
1. Apportez-moi un verre d’eau, s’il vous plaît.
アポるテ モワ アン ヴェーる ドォ、スィル ヴ プレ
これは、命令の表現です。
飼い犬に「新聞を持って来てね」というときなどに使う表現です
(* ゚ω゚ *)
「持って来てね」とか「持って来てちょうだい」って
日本語で言うと可愛いですが 🐕 フランス語では?
要注意!「持って来なさい」「持って来い」という命令です。(゚Д゚;)
Donnez-moi ・・・ の使い方も同じです。
また、文に s’ il vous plaît をつけていればいいんでない?と思うかも知れませんが、
s’ il vous plaît があってもなくても、命令的なニュアンスであることには全然変わりません。
(つ゚o゚⊂)
使う状況や間柄などを間違えないように気をつけましょう。誤解を招いて喧嘩になったら大変!
2. Voulez-vous m’apporter un verre d’eau ?
ヴレヴ マポるテ アン ヴェーる ドォ ?
これも命令の表現です。
1との違いは、例えば、お客の立場などから 上から目線で相手に
要求するようなニュアンスです。
(>△<〃)
また、文に s’ il vous plaît をつければ OKよね?と思うかも知れませんが、s’ il vous plaît があってもなくても、高圧的なニュアンスは変わりません。
使う場面に要注意ですね( ̄^ ̄ 😉
3. Pouvez-vous m’apporter un verre d’eau, s’il vous plaît.
プヴェヴ マポるテ アン ヴェール ドォ、スィル ヴ プレ
「お水を持って来ていただけるのかどうか」Oui か Non かの可否を尋ねる表現です。
「命令形より丁寧な言い方ですよ」と解説されている本も見かけますが、依頼表現とは違うことがわかりますね。
日常的には、「駅に着いたわ〜迎えに来てもらえる?」という感じで使います。
お水を持ってきて欲しいときに使うのも間違いではありません。
ですが、オススメは、断然、次の4👍 です。
1のような、「迎えに来なさい」はNG です(`o´)
4. pourriez-vous m’apporter un verre d’eau, s’il vous plaît.
プリェヴ マポるテ アン ヴェーる ドォ、スィル ヴ プレ
これが、私たちが言いたい「お水を持ってきていただけますか?」の望ましい依頼表現 です(*^-^)
pourriez は、pouvez の条件法で、最も丁寧な依頼表現になります。
基本的にこの表現を覚えておけば、どこへ行っても大丈夫です。
フランス語のエレガントな依頼表現の作り方
エレガントな依頼フレーズの作り方
Pourriez-vous + ( me (私に) )+ 不定詞 + もの、こと, s’ il vous plaît.
*疑問形で始まっているフレーズなので、s’ il vous plaît のあと、正しくは、?マークは不要です。こだわらないフランス人も多いようです。
フランス語で朝食のルームサービスを頼むフレーズ
Pourriez-vous m’ apporter le petit déjeuner dans ma chambre, s’ il vous plaît.
プリェヴ マポるテ ル プティ デジュネ ダン マ シャンブる、スィル ヴ プレ
写真を撮っていただけますか?とお願いするフレーズ
Pourriez-vous prendre une photo, s’ il vous plaît.
プリェヴ プらンドーる ユヌ フォト、スィル ヴ プレ
自撮りもいいけど撮ってもらうとやっぱりいい写真が残るわ
フランス語でエレガントな依頼表現 おわりに
Pourriez-vous プリェヴ と切り出せば、先方は「この人は自分に何かを頼みたいのだ」ということを瞬時に理解して、耳を傾けてくれることでしょう。
発音する時に、s’ il vous plaît の最後の、 plaît まで明瞭に言うようにするとさらに良いです。
日本語ではお水をいただけますかっ? なんて語尾を強く言わないのが嗜みですけど、フランス語の s’ il vous plaît はすごく大事な言葉です。
お願い事を伝える表現では、親しき仲でも明瞭に言って、お願い上手になりたいものですね(〃э_э)
Merci et à bientôt !
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