サガンの小説と映画でフランス語学習の意欲がアップ!

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眠れる森のフランス語 サガンの小説と映画でフランス語学習の意欲がアップ!

胡桃
Bonjour! 胡桃です

先日の夜、久しぶりにテレビで映画を見ました。

フランスワーズ・サガンの « La chamade » です。

voir, regarde の記事に関連して

「昨夜、テレビでサガンの小説の映画  “シャマード” を見たわ」
と言いたいときのフランス語のフレーズは、

“Hier  soir,  j’ai  vu  à  la  télé  un  film  qui  s’appelle  《La  Chamade》  d’après * Françoise  Sagan .”

*d’après は、小説がのちに映画化された場合に使う表現です。

 

また、作家の名前を話題にする時、日本では「サガン」「デュラス」と姓名で呼びますが、フランスでは最初に話題に出す時は「フランソワーズ・サガン」「マルグリット・デュラス」という風に、ファーストネーム=prénom から言った方が通じやすいです。

サガンをフランス語のカタカナで書くと「フォンソワーズ・サゴン」に近くなりますね。


今回の記事は、サガンの小説と映画に関する私的なウオッチングですので、サガンの小説にご興味がなければスルーしてくださいね。


フランソワーズ・サガンの小説、“La chamarde” 、邦題では(出版社の意向だったそうで)「熱い恋」が原作の映画です。

サガンが28歳くらいの時に書かれた、6作目の作品で、情景の描写から心情をこの上ないほど細やかに鋭く表現された、サガンの作家としての成熟が感じられる見事な作品で、私もサガンの小説の中でも特に気に入っています。

時は高校3年生、学校での人間関係に疲れ、病気もして、一人気ままに自分の趣味の世界に没頭するのがいちばん🎵と決めて、別段友達が欲しいと思っていませんでした。

実際、夢中になることが色々とあって友達と付き合っている暇もなかったですし、芸術の幸にあずかって、例えばバレエの公演を一人で観て、寂しいどころか周囲を気にせずざぶざぶと涙して「生まれてきてホントにシアワセだわ」と感じており、一人でいることが心底楽しかったものでした。

そんなとき、同級生の一人と親しくなりました。

髪も目も黒々とした小柄な彼女は演劇部に入っていて、授業中に発言する声もよく通って、話し方も、なんか、ドラマチック。

私と同じファッション雑誌を読んでいたりして共通する好みがあり、映画をはじめ私の知らない世界をたくさん知っていて、しかもかなりマセていて、彼女と一緒にいるだけで、もの凄い刺激を受けたものでした。

すっかり意気投合した私たち、彼女の家に遊びに行った時のこと。

彼女のベッドの枕元の棚に、ピンク色の背表紙の文庫本がずらりと並んでいるのが目に入りました。
「悲しみよこんにちは」をはじめ、10冊くらいのサガンの文庫本が並んでいたのです。

私はかなりショックを受けました。

私も読書は好きでしたから、内外の有名な本は読んでいたものの、「サガン」という何だかハイセンスっぽい!選択は全然ありませんでしたから。

フランス語が日本語になると、こんな文章に??

私は彼女の家から帰る途中、一目散に駅前の書店に駆け込み、「悲しみよこんにちは」を手にして、さらにカルチャーショックが待っていました。

朝吹登水子氏の日本語訳に、人生がひっくり返りそうな気さえしたのです。

パリ社交界という聞いたことのない言葉。

そのパリ社交界での恋愛模様。

それらがフランス語の文法 の passif,  受動態が日本語になって
「私を苛立たせた」とか「私を悲しませた」などと繰り返し表現されていて。


それ以来、私も自分の身の周りのことや気持ちを受動態で人ごとのように「冷めた視点」で形容してみたり、「自分のせいにしない」言葉遣いを使ったり、サガン独特の文体「サガネスク」は10代の私の言葉の世界を洗脳し尽くしてしまったと思います。

その後、立て続けに「乱れたベッド」まで読んだので、私の机にも彼女の枕元と同じボリュームのサガンが並びました。

そして同級生の彼女とは教室で「スノッブ」なんて言葉を使い合ったり(〃 ̄▽ ̄〃)

彼女は「あたし、モーツアルトが好き」とつぶやき

私も背伸びすることを覚えていき・・・♡

パリ社交界の大人の恋模様が理解できるわけなかったですが、「そういうものらしい」ことを感じ取り、私の中で一つの「パリ」と「大人の世界」が多分、完全に出来上がったと思います。

私がフランス語を学び始めたのは、この時から20年も後のことですが、それまで幾度となく読み返したサガネスクが息を吹き返したように蘇ってきたのをよく覚えています。

フランス映画  “La chamade/熱い恋 

サガンの6作目の小説、1968年のフランス映画、日本では「別離」というタイトルで公開されたそうですね。
今回テレビで見てから検索するまで、全然知りませんでした。

この小説を書いた当時のサガンは28歳くらいですが、若さと洞察力と、現代の40歳くらいの人生経験を感じますね。


主人公リュシールを、サガンたっての希望でカトリーヌ・ドヌーブが演じています。

「熱い恋」 ストーリー

パリ社交界を舞台として、30歳くらいの美しいリュシールは寛大で裕福な50代の男性シャルルと生活してますが、若い男性アントワーヌと熱い恋に陥ります。そのシャルルは、「あなたは私のところに帰って来ますよ。私はあなたのためにあなたを愛しているのです。アントワーヌはあなたといっしょにいるためにあなたを愛しているのです」と送り出し・・・そしてリシュールはやはり、最後はシャルルの元に帰ります。

 

フランスのテレビで映画を見るとなると当然のことながら字幕はないですが^^;  かつて夢中になったお話が美貌のドヌーブと相まって、本のフレーズや、細身のアントワーヌがツイードの上着を着ていたことなど細かな描写が次々と思い出されて、今だからわかる恋愛の世界に引き込まれて感無量でした。


ドヌーブの美貌に見とれているうちに場面が進んでいたこともありましたし( ̄^ ̄ 😉

ドヌーブの気品と美貌なしではリシュールの快楽は信憑性を持たないだろうな、と思わせます(*^-^)


印象的な描写が続き、アントワーヌの部屋でふと鏡に映った、シャルルと暮らしていた時のようなわけにいかなくなったリシュールの現実を、咄嗟にカーテンを引いて鏡を覆った数秒の場面がものすごく現実的でドキッとしました。


バスルームの中で鏡の中の自分がまだ見たことのない薄笑いをしているのを見つけた。
一瞬彼女は呆然としたが、静かにタオルで鏡の上をぬぐった、
あたかも存在してはならない共犯者を消すとでもいうように

 

の場面の描写かな?と思われます。

 

今や手の届かない所にいた主人公より私の方ががずっと年上になってしまって(笑)

シャルルのことも、アントワーヌの若い愛のこともリシュールのこともすごくよくわかる。
私、本当に、リシュールの言葉の一つ一つ、
私が喋っているんじゃないか?と思う心情やセリフが幾つも、ある。

私が年をとったのだとも言えるが、何も変わっていないとも言えるんじゃないだろうか 。。

 

私が人生にひどく悩んでいた頃、答えを求めていろいろな本を読んだものでしたが、
な〜んだ、こんなに身近に、ごく小さな文庫本に欲しかった答えが詰め込まれていたのだわ。

 

最後に読んだのはパリもフランスも「人ごと」だった25歳くらいだったと記憶していて、

新潮文庫の活字は米粒のようでしたから、歳を重ねるにつれて読みたくても読みたくない本となり、埃を被っていました。

旅の間、飛行機内でゆっくり読むことを思いつかなかったことが悔やまれます。


私がその後、日本を離れてフランスで暮らす決心をした時、この米粒大の活字にスポットライトが。

日本から全ての本を運ぶことはできないので、200冊ほどの書籍をスキャンして、サガンの全ての新潮文庫も黄ばみもろとも電子書籍となり変わり、PC画面で拡大して読める幸せと言ったらありませんww

 

私が住んでいるノルマンディはサガンにも大いに所縁の街です。

ドーヴィルとトロヴィルのカジノ、パリの社交界が引っ越してくるドーヴィルの海と競馬場、アストンマーチンがひっくり返ったのもこの周辺の道路。
終焉の地はオンフルール。

散歩をしていたら、海岸の遊歩道にサガンのプレートがあることに気がつきました。

サガンも情緖溢れるこの海を見つめていたんだな。

小説「心の青あざ」の、ドーヴィルの海岸での一節が記されています。

 

« … en  ce  Deauville  d’octobre,  abandonné  et  brûlant,  je

 regardais  la  mer  vide,  les  mouettes  affolées  qui  rasaient  les

 planches,  le  soleil  blanc  et,  à  contre-jour,  quelques  

personnages  qu’on  eût  dits  tirés  de  Mort  à  Venise  de

 Visconti.

Et  moi,  seule,  enfin  seule,  qui  laissais  pendre  mes  mains,  

tels  des  gibiers  morts,  de  chaque  côté  de  ma  chaise  longue.

Rendue  à  la  solitude,  à  l’adolescence  rêveuse,  à  ce  qu’on  ne

 devrait  jamais  quitter,   mais  que  les  autres  -l’enfer,  le

 paradis-  vous  obligent  sans  cesse  à  déserter.

Mais  là, les  autres  ne  pouvaient  rien  entre  moi  et  ce

 triomphant  automne ».

 

そしてこの、見捨てられた燃えるような10月のドーヴィルで、私は空っぽの海を、海岸沿

いのプロムナードの板張道をかすめて乱れ飛ぶカモメを、白い太陽を、そしてヴィスコンテ

ィの映画『ヴェニスに死す』から逆光線にとったと思われそうな幾人かの人影を眺めてい

た。そして、私は、独り、やっと独りになって、狩猟でとれた獲物のようにぶらんと両手を

デッキチェアの両脇に垂らしていた。孤独と、夢見る青春期に還って・・・人はこれらから

決して去ってはならない、しかし他の人たち ー地獄、天国ー が絶えずそれらを見捨てるこ

とをあなたに強制するのだ。でもこの時、他の人たちは私と勝利を誇る秋の間をどうするこ

ともできなかった。      朝吹登水子氏訳

最も重要なことは、フランス語学習の意欲を失わないこと!

映画をこのように1度見ただけでも、原作を読み返したり、好奇心が抑えられないくらいフランス語に意欲が湧いたりと気持ちが元気になって、色々とおしゃべりしてしまいましたww

フランス語の la chamade  を早速購入、いいきっかけなので、読むこと と 写経に力を入れたいなと。

 

フランス語学習に限らないことですが、最も重要なことは、意欲を失わないこと。
 ” Le  plus  important  est  de  ne  pas  se  décourager ” 


フランス語を学びながら、人生経験を積んでから読み返すサガンは本当に素敵です。


お読みいただき、ありがとうございました。
フランス語を学ぶあなたのお役に立つことがありましたら、大変嬉しく思います。


Merci  et  à  bientôt !

 

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