傘をささないフランスにいても、自分をいとう日本の心であり続けようと思う

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眠れる森のフランス語 傘をささないフランスにいても、自分をいとう日本の心であり続けようと思う

胡桃
Bonjour! 胡桃です

 

この間、些細なことで夫と喧嘩になりました。

喧嘩といっても、口論だの大声で怒鳴ったりは、しません&できませんし、

快晴だった空がみるみる曇っていく程度のことですが・・・習慣の違いからくる雨雲でした( *´Д⊂ 

 

郵便局に封書を出しに行く途中、車のフロントガラスに雨が落ちてきました。

家を出る時に、黒っぽい雲は雨を降らす準備万端といった風でしたが、

気がかりな用事がある時は、傘のことなど忘れてしまうものですね。(*´Д`*) 

 

封書は、日本の友人にプレゼントする本。

雨はだんだんと本降りに。

 

ここで私がふっと

「・・・・・・・・・」

と漏らしたのが災いの元でした。

 

今日は雨の日、傘に対するフランス人と日本人の習慣や考え方の違いについてお話したいと思います。

もしよろしかったら続きを聞いてくださいね。(* ̄^ ̄)

私の口から出た言葉は

「雨で濡れるのはヤだわ・・・」

 

すると夫は真顔で

「そんなこと、ノルマンディに暮らしていたら難題だ、解決策なんか、ない」と。

私は、私が濡れるのもいやだけど、むしろ、封筒が濡れちゃったら大変だ、と、気になり始めてもいました。

 

夫にしてみたら。人の胸の内が見えるわけはないし、

仮に見えたとしても、封筒が雨に当たったくらいで日本に届かないわけはないですが。

 

で、私は思わず

「言ってることはごもっともだけど、何その言い草(# ・`д・´)

他に言いようがないのかね(#゚Д゚)」

と言い返してしまい、厚い雨雲が私たちに重く垂れ込めたのをみると、

フランス語が通じたらしいわ(;゚∀゚)

 

バレエを習っているリラ子さん
あ〜、胡桃さんの甘え下手ったら。。。郵便局の前で下ろしてねって、ひと言で喧嘩せずに済むのに

いつも雨のフランス北西部、生まれた時から雨の中で育つ

私が住んでいるノルマンディの海辺からブルターニュは

いつも雨 の土地です。

 

フランスはカラッと乾燥している、という印象があると思いますが、

この地域は例外です。

フランスでもっとも湿度が高い地域はブルターニュ、次いでノルマンディ。

肌の乾燥ともほぼ無縁です(^。^)

 

10月頃から冬に向かう大雨、時に嵐が続き、酷たらしいとしか言いようがない日も少なくありません。

暮らし始めた頃は、毎日の気温と天気予報は日本にいた時の習慣のまま気になりましたけど、今はあまり気にならなくなりました。

というのも、朝から午前中が大荒れでも夕方から日暮れ以降は穏やかになる日も多く、1日中に全ての空模様が展開される感じだからです。

 

空模様が特に気になるのは、マルシェが立つ日です。

どんなに荒れた朝でも、マルシェは街の人々を迎えます。

雨が一時的に上がっても、また降ってきます。

ベビーカーにはさすがにビニールカバーがかけられていますが、

雨の中をよちよち歩く小さな子どもの姿も。

 

多くの人が行き交うマルシェ、雨が降ってきたからといって傘をさすのもためらわれます。

シェルブールの雨傘店は閑古鳥?

バレエを習っているリラ子さん
フランスのマルシェは大好きだけど、雨の中、濡れながら歩くなんて、さすがに考えちゃうわね

 

胡桃
傘は時に人の迷惑になったり、危ないものになりかねない状況もありますね

 

雨は冬に向かう前でなければ、一日中降り続く日ばかりではないですし、

降ってくれば、軒下で雨宿りをしたりと、傘無しで皆なんとかしのいでいたりで、やはり、傘は必要なものではないんですね。

 

ですが、濡れたら困る、濡らしたくない服装をしている人は、

ちゃんと傘をさしています。

 

映画 『男と女』だって、パリとドーヴィルを往復する道中は、雨がロマンチックに二人の語らいを盛り上げ、ワイパーすら名脇役に見えてきますが、

上質のムートンを羽織った二人は雨に打たれるシーンはありません。

 

もう一つの映画、『シェルブールの雨傘』の舞台も、

海風が吹きすさぶ、雨、雨、雨のノルマンディです。

カトリーヌ・ドヌーヴ扮する主人公、ジュヌビエーヴの母親が雨傘店を経営していてます。

映画から想像することですが、おそらく、フランスのエレガンスそのものの上質な装いを日常とする母が、傘もおしゃれな方がいいわ、というようなノリで、いつも雨降りのシェルブールで雨傘店を開いたのではないかと想像できます。

ですが、傘の需要がないのに店を開くとは、

さしずめ、砂漠にTSUTAYAをオープンしたようなもの?(笑)

傘が売れて店が繁盛している様子はなく、手持ちの宝石を売るほどに経営は苦しくなっていき、娘が宝石商に見初められて人生の選択をしていく、という流れになっていきます。

 

『男と女』のクロード・ル・ルーシュ監督の言葉のように、

ノルマンディのような悪天候はドラマに欠かせないんですね。

浜までは 海女も蓑着る 時雨かな

ノルマンディの次は、日本の心意気、

江戸時代中頃の俳人 滝瓢水(たきひょうすい)の句です。

 

句の意味することは

海女は海に入る身、間も無く濡れてしまう身ではあるけれど、

浜まで行く道すがらは、蓑を着て雨をしのぎ、濡れずに行きたい

という気持ちです。

 

日本にいた時から座右の銘のように思う一句なのですが、

文字通り、浜がすぐそこ、のノルマンディに暮らすようになってからは

句の意味することが、より現実味を帯びて、

私は毎日、この句を思い出しています。

 

 

いつも雨だから。

フランス人は傘をささないから、私も濡れるのを気にしない。

 

私は、こういう考え方は、フランス人の習慣とは別の部分で、

エレガントではないと思うのです。

 

雨の多い土地で、生まれた時らかの習慣で傘をささない人が多いけれど、

自分を濡らすことなく大切にする。

日が強ければ、日傘をさす。

車を降りて、わずかな距離しか歩かないことはわかっているけれど、ロングコートを羽織りたい。

どこで生きていても、どんな状況でも、終焉の瞬間まで手間暇を惜しまず

自分をいとう気持ち。

私も海女のごとくにエレガントに生きたいと思われてならないのです。

 

 

俳句や短歌は往々にして、言葉の遊びや気持ちの表現に傾きがちな面がある中で、

五七五の中にこれほどまでに、

人としてあり続けたい姿を歌った人もいないのではないかと思われる一句だと感動します。

 

胡桃
こんな風な日本人の心を持つ私、フランス人200%の夫の身になれば、大変だろうと思います

フランスの雨の装い文化、日本は叶わない部分もある

 

シェルブールには、映画のあと、こだわりの上質傘の店がオープンしました。

素材はフランス、英国、イタリア、そして、日本のシルクタフタを使った日傘もあります。

サイトは http://www.parapluiedecherbourg.com/

 

上質の素材を使った職人の手作り、海風に耐える頑丈な作り。

雨から身を守ろうとする人のための逸品を作り続けています。

 

一方で、日本を訪れたフランス人観光客が、日本のビニール傘を持ち帰り、

それを真似てフランスらしく仕上がったビニール傘もよく見かけるようになりました。

 

 

また、日本では雨の日のおしゃれと盛んに言われていますが、

どうも、肝心の身を守る方・・・レインコートが今ひとつパッとしないような気がします。

雨合羽?の域を出ないといいますか、雨風しのげれば文化?が残っているのでしょうか、

実用的で見た目もいい、大人のためのレインコートを探すのは難しいような気がします。

 

かたや大人の国、フランスでは?

服を取り扱うきちんとしたブテイックには、大抵雨用のコートが置いてあります。

カジュアルな店ではフードのついた雨合羽風はやはり主流ですが、

ちゃんと服の形をしていますし(笑)

ちょっとおしゃれな店なら、水を弾く実用性に加えて、

雨の日用にこんな細部にもこだわるのね、と感心するほどのデザインを見つけることができます。

 

私も実際に、猛暑の日本から寒い寒いパリに着いて、折しも夏のソルドが始まり、

薄手のコートが必要になったことがあります。

パリに行けば必ず立ち寄るベーシックなブテイックで、店員さんに勧められたコートは、まさに美と実用性を兼ね備えた雨の日のためのコートでした。

 

灰がかったこげ茶の、身体をすっぽり包むロングコート。

水を完全に転がす素材ですが、テカテカと光ったりしません。

ステンカラーの襟をぴっちり留められるようになっていて、

そのシルバーの金具が渋いコートのアクセントになっています。

肩周りは表布と同じ裏地がつけられて、これだけでも肩の寒さが違ってきます。

 

バレエを習っているリラ子さん
傘をささないことを前提に作られていそうね

 

胡桃
台風でも仕事を休めない日本にもあったらいいのに、と思いますね

 

バレエを習っているリラ子さん
日本の傘の文化とフランスのレインコートがあったら、最強の蓑になるわね

 

つまらない喧嘩をしてから、季節は冬へ向かう嵐が続いている今、夫も、

私の故郷は雨に濡れたくない国だということを忘れては、思い出し・・・

という様子がちょっと感じられます(〃э_э)

 

胡桃
雨降って地固まる、だといいですが

 

ちょっとの雨をしのげるニット帽を編んだり、日仏蓑づくりを充実させたいな、と思う日々です。

習慣の違いを上手にフランス語にする練習も(*^-^)

 

お読みいただき、ありがとうございました。

Merci  et  à  bientôt !

 

 

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