再びオーストリアでのことですが、市電に若いママと幼稚園くらいの娘さん、続いて、車内で立っていたら絶対危ない様子のマダムが乗ってきました。
女の子はなんとしてでも座席に座りたがっています。
この市電はちょっと混んでいて、空席はいちばん前に一つだけ。そこに女の子は嬉々として座りました。
高齢のマダムに気がついたママは、子どもに立ちなさいと必死で諭していますが、女の子は一向に言うことを聞きません。
ママはマダムに申し訳なさそうな顔を向けながら、子どもをたしなめますが、女の子は頑として席を立ちません。
すると、マダムは、どうしたと思います?
マダムCさん:さあ、一緒に座りましょう(o^ω^o)
と言いながら、小さな座席に、悠然と女の子の脇に座りました。
女の子は座席から飛び出し、ママもホッとした様子です。
マダムCさんは、脚の具合を見るからに立っていられない様子でしたけれど、子どもを甘やかさない、という気持ちがヒシヒシと感じられました。
Cさんが仮に立っていられる状態でも、同じようにしただろうと思います。
ヨーロッパは子どもを大切にし、妊婦や乳幼児連れの女性を大切にされますが、子どもはしっかり歩けるようになって物心ついたら、大人を敬うことを覚えていくのです。
ヨーロッパも若いママたちの世代はもちろん、いつまでも古き良き時代のままではありませんが、大人の地位があり、大人の居場所があることが、ヨーロッパのいちばんいいところではないかと感じます。