遠いばかりじゃない副詞 loin。très, trop, plusそうは言わないフランス語3

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眠れる森のフランス語 遠いばかりじゃない面白い副詞、loin。そうは言わないフランス語3

胡桃
世界の皆さんBonjour! 胡桃です。loinはなかなか身近な使える単語です

 

フランス語の “loin ロワン, 最初に習ったのはフランス語で道の尋ね方が出てきたときでした。

 

そのテキストの文例は

地図を広げている観光客に現地の人が何処に行くのかと声をかけ

Où  allez-vous?

 

郵便局を探しているんです

Je  cherche  la  poste.

 

行き方を教えてもらい、最後に「遠いですか?」と聞きます

C’est  loin?

 

いや、すぐそこですよ

Non,  c’est  tout  près.  

 

こんなやりとりでしたが、このときの loin は形容詞的に使われている用例で、物理的な距離を表すものでした。

 

ですが loin にはそれだけではなく、えっ?こんなときに使われるんだわ〜と感動さえ覚える表現があります。

 

loin がどんなシチュエーションで使われるのかを知っておくとフランス語での表現の幅がグンと広がりますので、分かりやすい例でご紹介しますね。

 

文法は【 loin  de,  pas  loin  de 

 

この表現が使えるシチュエーション

何人かで一斉に同じことをするときに、誰かひとり、間違えていたりテンポが遅れていたりするとします。

 

上の画像はパリ・オペラ座バレエのラ・バヤデールより “影の王国” 。

インドの戦士ソロルが巫女、火の前で愛を誓った恋人ニキヤを裏切って死なせてしまった悔恨からアヘンを吸い、32人の精霊たちがヒマラヤから降りて来る夢を見ます。夢の中でソロルはニキヤに再会する幻想的なシーンです。

 

この場面では32人のダンサーが動くテンポも手の高さも足の高さも同じアラベスクで坂を降り、重量を感じさせない一糸乱れぬ群舞を踊り抜きます。

 

このリハーサルはとても厳しく、たったひとりのちょっとしたズレに、ときのバレエ・マスター、パトリス・バールさんからダンサーのサブリナさんに指摘が飛びます。

 

そのときのひと言が

パトリス・バールさん
Tu  t’es  trompée  d’une  ligne  quelque  part  Sabrina,  tu  étais  une  ligne  trop  loin!

 

ひとことで言うと、「32人の群舞でひとりだけハズれてるぞ〜!!」

 

trop  loin

「他の皆んなからすごく遠い」 つまり 「32人中ひとりだけズレてる、皆んなと合ってないぞ〜っ!」という意味に。

 

trop はこのようにネガティヴな意味合いで使われます。

 

très,  trop の使い方についてはこちらの記事もご参考に

 

une  ligne は 「32人が一つの動きをすること」を指しています。

 

胡桃
こんな表現を聞くとフランス語ってなんて素晴らしい・・・胸がいっぱいになる瞬間です

 

バレエを習っているリラ子さん
稽古場で言われたらショックだな〜。でもすぐ使えるフランス語だわ

 

「ズレてる」「違う」を和仏で引いても日本語は言葉の意味が多様化しすぎていて、フランス語とはなかなか表現が一致しないものの一つです(´゚д゚`)

 

pas très loin と pas plus loin の違い

・pas  loin ⇨ 遠くない、違わない

・pas  très  loin ⇨ 近い 

 「周辺」のようなニュアンス、他に選択肢がある状況

・pas  plus  loin ⇨ ほぼ同じようなもの

 

pas  に plus がつくことで、遠かった物事が近くに着地するニュアンスです。

 

日本語でははっきりしないような曖昧さは拭い切れない感じもしますが、フランス語では湾曲な表現を使いながらも実は物事をはっきり伝えているようで、とても興味深いですね。

 plus loin:オペラのレベルの高みを目指す

ニキヤとガムザッティ

 

plus  loin】さらに遠くへ

同じく、ラ・バヤデールのリハーサルビデオでパトリス・バールさんがインタビューに答えているときに、今度は plus  loin が聞こえて来ました。

 

この表現が使えるシチュエーション

バレエ ラ・バヤデールは主役ニキヤがソプラノ、恋敵ガムザッティがメゾソプラノ、19世紀のオペラの登場人物のようです。

 

パトリス・バールさん
On va aller même plus loin, c’est réglé comme un opéra

 

このセリフの ” plus  loin “

「(音楽とマイム、振り付けがぴったり一致する)オペラのごとくの高いレベルを目指す」。

より高みを目指す、というニュアンスです。

 

 

上の画像は、領主の娘ガムザッティ(エリザベット・プラテル右)が恋敵の巫女のニキヤ(イザベル・ゲラン左)に、なんとしてでもソロルを諦めさせようとするシーン。ニキヤの悲恋を暗示するかのような重く激しい音楽とともに2人は揉み合います。衣装は本物のインドサリーの生地が使われています。

 

 

日本語とフランス語の表現の一致にも

大好きなバレエがきっかけで覚えた表現ですが、私の日仏レッスン中にもこのように。

 

胡桃
日本語とフランス語が一致せずとも違わず、というときなどに pas loin, pas plus loin♪でうまく伝えられます

 

また、私は家庭内でも日本とフランスの違いばかりを上げているより、互いの国の習慣や社会の接点を見つけてはやはり “Ce  n’est   pas  loin  du  Japon” と言ったりしています(o^^o)

 

loin、便利に使えると言うのは語弊がありますし、辞書では使い方が難しそうに並んでいる単語ですが、覚えてどんどん使って、どんなときに使うのかを感じて・・・語学学習はこんな心掛けにつきますね。

 

pas で表すフランス語の婉曲な表現の特徴はこちらで詳しく書いています。

 

バレエを習っているリラ子さん
loin の表現を知れば使い方はpas loin du japonais! 日本語と近くて面白いわ

 

 

今日の表現が使われているDVDは

ダンサーズドリーム 〜パリ・オペラ座の華麗な夢〜

vol.4 ラ・バヤデール、現在は中古のみとなってしまいましたがフランス語もたっぷり聞けて本当に勉強になる貴重な映像です。

 

このDVDに収録されているリハーサル後の公演映像を動画で見ることができます。もしご興味がありましたらぜひご覧くださいね。

 

それではまた!

Merci  et  à  bientôt !

 

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